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2020年04月18日21:59

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映画好きにした映画は微妙だった

 土曜日。今日も家に引きこもりなので、録画した映画を観る。
 今日は、深作欣二監督の『蒲田行進曲』。
 『蒲田行進曲』はつかこうへいさんの作、演出の舞台で、日本演劇史に残る舞台作品である。
それを映画化した作品である。

 『蒲田行進曲』はうちの田舎の映画館で、『少林寺』と二本立てで上映されていた。
 カンフー映画好きだったオイラは『少林寺』を目的で観に行き、ついでに『蒲田行進曲』を観るという形であった。
 ところがである。
 『蒲田行進曲』で描かれる複雑な中の純愛、性格が悪い上の人間と下の人間の友情は、普通だったら十代の子供には理解できない世界である。
 けれども、役者達の熱演、感動の方向にうまく持って行った脚本の構成、演出が見事に決まり、大人の奇妙な関係がわからなかった子供にも感想させてしまう仕上がりとなっていた。
 そして、そんな人間の関係の奇妙さと、そこから醸し出される感動は、子供向け映画しか見向きをしなかった子供を、大人向けの映画でも感動できるんだとわからせ、それがきっかけで映画そのものを好きにさせたのであった。

 つまり、『蒲田行進曲』はオイラを映画好きにさせた作品なのである。
 ところが奇妙なのは、この原作は舞台、脚本も書いた人も舞台の人という所があり、純粋な映画人が作り上げた映画でない映画がきっかけということである。
 ちなみに、昔、演劇好きの知り合いにそれを突っ込まれた。
 そんな微妙なものがあるが、『蒲田行進曲』はオイラにとっては大切な映画なのである。
 何度観ても、感動してしまう映画なのである。

 また、この映画を観たことで深作欣二監督のことが好きになり、この映画を観なかったら『仁義なき戦い』を観ることがなかっただろう。
 映画になったとはいえ、脚本が原作のつかこうへいさんだから、つか演劇の早いテンポのセリフの会話、展開も早いという要素がしっかりと残されていた。
 つかさんの高速並のテンポの芝居を映画にするには、早いテンポのドラマを撮れる深作欣二監督だから作れたというのもうなずけてしまう。

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