コラム:米経済エンストで「新型恐慌」危機、鈍い日本の財政対応
2020年3月23日 / 18:24
田巻一彦
[東京 23日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への影響が、いよいよ深刻化してきた。米セントルイス地区連銀のブラード総裁は20日、米国の失業率が30%と大恐慌時を上回り、第2・四半期の国内総生産(GDP)が半減するかもしれないと指摘した。世界経済をリードしてきた米国が「エンスト」を起こせば、あらゆる経済活動が止まるのは確実だ。
日本国内では、感染者と死者数が欧米に比べて少ないことを賞賛する声が専門家から出ているが、世界経済がもしマイナス成長に陥るなら、日本経済が受ける衝撃も想像を超えるものになるだろう。すでに国内の観光産業、飲食業は「需要蒸発」に直面し、先行きの見通しが立たない状況だ。
米国並みにGDPの10%(50兆円)規模の経済対策を実行しても、時間がかかれば効果は半減する。失業者が街にあふれ出ないうちに、現金給付や減税などあらゆる対応を迅速に行うべきだ。
<ブラード総裁の予言>
ブラード総裁は米国の第2・四半期の国内総生産(GDP)が通常に比べて半減し、金額にして約2兆5000億ドル(約270兆円)が消失してもおかしくないとの見通しを示した。ニューヨーク州やカリフォルニア州などで外出が原則禁止され、製造業・非製造業の動きが大幅に規制される中では、この「予想」も的外れではなく、現実に近いと考える。
世界経済は、「GAFA」に代表されるプラットフォーマーにけん引された米経済の成長力に支えられ、米中経済摩擦の下押し圧力も何とか乗り越えてきた。ところが、この米経済が「コロナショック」で立往生してしまった。
JPモルガンは第1・四半期の世界の成長率を前期比マイナス12.0%、第2・四半期を同マイナス1.2%と見通す。2020年通年では前年比マイナス1.1%と、第2次世界大戦以降で2度目のマイナス成長に陥るとみている。
需要の「瞬間蒸発」を引き起こすコロナショックの毒性には、各国とも大規模な財政・金融政策を発動するという手立てしかなく、米トランプ政権はGDPの10%に当たる2兆ドル規模の経済対策をまとめつつある。
ブラード総裁は「新型コロナに伴う経済的損失、つまり失われた賃金、失われたビジネスを(政府が)逐一カバーする必要に議論の余地などない」と言い切った。この指摘はもっともで、いったん失業者を街に氾濫させたら、収拾のつかない混乱が次々と起こり、鎮圧までに数年単位の時間を要する「新型恐慌」になりかねないからだ。
<一刻を争う財政支出>
これに比べ、日本政府の対応は「鈍重」なイメージを払拭し切れない。政府・与党の幹部からは「リーマンショックを超える」などの声が聞かれるが、2008年の金融危機時は実需が瞬間的に消えてなくなるということはなかった。
しかし、今回は都市の封鎖(ロックダウン)で需要が大きく消失、当面は財政で埋め合わせができても、封鎖が長期化すれば市場が動揺し、底なしの危機相場に陥るリスクさえある。日本の政府・与党にはその危機感が薄いように見える。
先のJPモルガンの見通しでは、日本経済の第1・四半期は前期比マイナス3.0%、第2四半期は同マイナス1.0%、2020年通年は前年比マイナス1.3%となっている。これは第3・四半期、第4・四半期がそれぞれ5.0%、3.5%と大きく回復することが前提だ。
財政支出が効いて雇用の防波堤が決壊せず、早期に景気回復するという「計算」をしていると推察する。
だからこそ、これから出てくる財政支出は「一刻を争う」性質のものと言える。5月の大型連休明けに法案を提出するという悠長な姿勢では間に合わないかもしれない。有識者へのヒアリングはそこそこに切り上げ、現金給付金と減税を織り交ぜた「真水」の放出により、解雇者続出という「堤防決壊」を何とか回避してもらいたい。
仮に政府がそのような対応をしたとしても、前途はなお険しい。特効薬の開発と投入が遅れれば、底なしの需要減と財政投入を繰り返さざるを得ないからだ。
その先は、先進各国の財政の信認がどこまで持つかにマーケットの関心が集中することになるのではないか。
コロナショックは未曽有の結果につながりかねない「猛毒」を持っている。今こそ政治のリーダーシップと決断が求められる。
https://jp.reuters.com/article/column-kazuhiko-tamaki-idJPKBN21A0V9
日本は対応が遅く、支援額も小さ過ぎです。
でも米国だって、支援額は大きいけど、対応は遅いですw
米上院、1.7兆ドル経済対策案の動議を否決 新型コロナで共和党5人欠席
2020年3月23日 16:02
https://www.afpbb.com/articles/-/3274795
今週中には審議を終わらせてにして、3月末までに施行させようとしていますが、どうやら間に合いそうにないです。
法案を幾つかに分割して、通せる所から通してもいい様に思えるけど、それだと日本みたいに逐次投入になるのかも^^;
取り敢えず、中共肺炎がリーマンショック以上のインパクトを持っている事を日本人は自覚した方がいい。
そして、日本政府が決めた支援金30兆円では全く足らない事を自覚しなくちゃね^^;
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