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2020年03月04日11:33

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「墨攻」映画感想

原作は同タイトルの日本の小説で
作者は酒見賢一。
撮影監督に阪本善尚、
音楽を川井憲次、
主演は「インファイナルアフェア」にも出演した
アンディー・ラウ(香港俳優)、
敵将役は「シルミド」「デュエリスト」の
アン・ソンギ(韓国俳優)、
弓隊長役は「男たちの挽歌」にも出演した
ウー・チーロン(ニッキー・ウー)(台湾俳優)。
なんちゅう国際色豊かな映画だ!
配給はどこなんだろ?

日本がかかわったスペクタクルもので、
こんなに面白い映画が作れたのって、
珍しくない?

「専守防衛」を旨とする
墨家に救援を求めた小国「梁」に
墨家は、要因の派遣を拒んだ。
しかし、墨家の決定を無視して、
単身救援向かうのが、
主人公「アンディー・ラウ」扮するところの
革離(カクリ)である。
人口わずか4000人ばかりの小国守るために、
知略の限りを尽くす「革離」
その手腕と行動力、
それでいて高慢でない人当たりのよさが、
人々の羨望を集める。
これに危機感を抱いたのは、
敵将ばかりではなかった。というお話。

頭はいいし、武人でもあるけど、
人並みはずれた戦闘能力を持つわけではなく、
だから、10万対1人といっても、
たった一人で、敵陣の中で暴れ回り、
ばったばったとなぎ倒していく系の
むちゃ強系ではない。
そこがまた、リアルで面白かった。

この映画のタイトルになっている
「墨攻」は実際に
中国で2000年以上前に存在していた
「墨守」からの造語だということだ。
この「墨守」は、
「墨子」という人物が説いた
「兼愛・反戦」を体現す墨家の
仕事の通称である。
墨子は、もともと儒教に学んだそうだが、
その教えの矛盾や、
排他的考え方に異議を唱え、離脱。
その後は儒教の儒家と並ぶ学派として
「儒墨」と並べて呼ばれるまでに
なっていった。

墨子の思想は、今風に言うと
博愛・非攻・被差別。
そして、節制・非享楽・運命否定。
それを体現する墨家は、
被交戦国の要請を受けて、
その国を侵略より「守る」仕事を
受け持ったといわれている。
その専守能力は、
「魯班」との模擬戦で遺憾なく発揮された
という逸話があり、
そこから、「墨守」と呼ばれるように
なったようだ。

ただ、墨家の晩年は、
利己欲にはしり、
大国と謀議することもあったとか・・・

やがて、「秦」が中国を統一したために、
墨守としての意味がなくなり、衰退。
前漢の時代に入っては、激
しい弾圧を受けて、
滅んでしまったと言われている。

まっこと、歴史は面白い。
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