Surprise decision

ドイツと「高瀬舟」

コロナ情報の洪水に隠れているが、ドイツではもう一つ法曹界、医学界を揺るがす大ニュースがあった。連邦憲法裁判所は初めて、個人が自殺する権利を認めるとともに、第三者に対して自殺幇助を求める権利をも認めた。これは、商業的な安楽死サービスの禁止法案を最近可決した連邦議会の態度と完全に矛盾する驚くべき判決だ。ドイツではナチスの犯罪に対する反省から、生命の保護を重視する判決が出ると予想されたいただけに、予想外の判決である。政府は、「自殺幇助法」を制定する必要に迫られる。安楽死産業を助長するという危惧も出ている。
当然カトリック・プロテスタント教会は猛反対。社会を二分する議論が始まった。