頑張れ！ぼくらの阿炎

大相撲協会主催で、ＳＮＳに関する講習をやったそうだ。
今、同協会では力士たちにＳＮＳ投稿を禁止しているそうだが、そのきっかけは小結・阿炎が昨年、インスタグラムで、同部屋の弟弟子の手足を粘着テープで縛った動画をアップし、炎上したことである。
それで、講習会が終わった後に、阿炎に報道陣から質問があり、その時の阿炎の受け答えが、またＳＮＳ炎上を引き起こした。
東スポには以下のようにある。

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ところが、研修会終了後の阿炎の口からは驚きの言葉が…。大勢の報道陣の前で「研修の感想？爆睡してた。寝てたし、何も聞いてねーし」と言い放ったのだ。その後も「寝てた」「聞いてない」を連発する始末。
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これを読む限りだと、阿炎は相当いかれた人間に見えてしまうが、あるスポーツ紙には、最初に「いい勉強になった」と回答があったが、報道陣が繰り返し問い詰めたら、「緘口令がしかれているのでこれ以上言えない」とあり、それでもしつこかったから「寝ていたので聞いてない」と言って逃げたとある。
他にも、東スポと同じような、「寝てたし聞いてねーし」のみをあげて印象操作をしている記事は多かった。
俯瞰的にみると、各スポーツ紙の大いなる悪意を感じることができる。
昨今、角界で不祥事が起こると、相撲を潰したがっている連中なのかわかんないが、このように大仰に、発言を切り貼りして印象操作する例が多すぎる。
僕の想像だと、阿炎は昨年、冗談でインスタグラムに動画をあげたが、あまりに炎上して、周囲から責められる結果となった。はっきり言って、何でそんなことで・・、というレベルであろう。それに加えて今回の講習。明らかに阿炎の行動を受けてのことで、阿炎はさらに面白くない。
そんなところに、報道陣から、矢継ぎ早な質問。その内容は、相当に粘着的で意地悪なニュアンスが含まれていて想像する。
さらに面白くない阿炎は、相当腹をたて、もはや相手をバカにする気持ちで、「ねてたしきいてねーし」と言って、切ったのではないだろうか。
講習自体も、大相撲協会による世間向けアピールの茶番ぽかったことは容易に想像できる。そもそも、すでにＳＮＳ投稿を禁止しているんだから、今更何をいうまでもないだろうに。

僕は、阿炎がアップした動画をみたが、座敷みたいな部屋でいろんな人がくつろいでおり、ちょっといたずら心で粘着テープを巻いて笑いを取っていた雰囲気だった。周りにいた女性などの笑い声も聞こえ、やられている力士も深刻になっている様子もなく、和やかな感じがした。
それが、何かと角界のアラをみつけては騒ぎたい奴らの目にとまり、「不謹慎だ！」「言語道断だ！」などの煽動が始まったと思える。
確かに、その時は、千賀ノ浦部屋の貴ノ富士の弟弟子への暴力問題で、角界は叩かれていた時期だったし、タイミングといい、内容といい、行動が軽率だったことは否めない。今時、ＳＮＳの悪意をもった連中がみれば格好の餌食になる、ということをやる前に考え慎むべきだったなー、と思う。
そこは阿炎が、単なるアホなだけであって、だから力士として人間として失格かといえば、そこまでか？という内容じゃないか。だから大相撲協会も、軽率な行動に対する厳重注意だけで済ませ、罰はなかった。

ということを踏まえ、今回も、ＳＮＳでは大炎上。
ここで、ヨダレを垂らして攻撃する対象を見つけたい悪意のユーザー諸君に、またしても格好の餌を与えてしまった。
まー、阿炎もアホだなー、とは思うが、このＳＮＳ糞ユーザーどもは、力士に何を求めているというのだろう？
そもそも、力士なんてのは中卒とか高卒とかで相撲部屋に入門し、閉鎖空間で図体をでかくしただただ強くなることを求められる筋肉バカである。今更なんだが、そういう連中は、もちろん相撲を通じて品位も備えていく力士もいるだろうが、基本、頭アホな連中だ。
だが、人道に外れてなければ、そんなことより、土俵での力士を評価すべきで、いちいちアホな行為をしたことを攻め立てるのに何の意味がある？
阿炎の行為を責めるなら、簡単に動画を世界に配信できるようになった今の世の中を責めるべきだ。
何でも、昔の力士は立派だったとか、師匠の錣山親方は品格の備わった力士だったとかいうが、昔だから動画を配信するインターネットが存在しなかっただけで、今の時代と同じだったら、同じようなことやってたよ。（さすがに元寺尾関はやらないと思うが）
逆に、大相撲も昔のファンのほうが、こんなに角界や力士に悪意をむき出しにした誹謗中傷はしなかったろうし、もっと力士をリスペクトしていて品格があったとも言えるじゃないか。ＳＮＳの導入により、質が低下したのは、むしろファンのほうだな。

まあ阿炎は、アホなんだろうなー、とは思うが、僕は阿炎のファンなんでね。こいつら、ただ相撲を貶めたいだけの糞ＳＮＳユーザーどもに反発して評価してやる。
阿炎の土俵は素晴らしいよ。まずシコの踏み方が、長い足が高く上がり実に綺麗だ。今あんなに綺麗なシコを踏む力士はいない。
それから相撲では決して有利ではない体型で、手足が長く腰が高いが、長いリーチを生かした押し相撲は、より磨かれ、一気に相手を突き出す取り口は感動する。
僕は十両から阿炎の存在を知っていたが、入幕したらあれよあれよと力をつけて、あっという間に三役に昇格。初場所の成績は悪かったので、次の春場所は降格だろうが・・
また敢闘賞も二度受賞しており、その土俵での相撲内容も評価されている。
また、人間的に最悪な奴だ、と言いたい奴がいっぱいいるが、軽口やヤンチャなところがあるがそれも愛嬌だとは思えないんだろうか？
チャラいスノーボーダーやヤンキーみたいな奴って言いたいんだろうけど、高卒入門で25歳で小結まで出世したんだ。角界で、三役までいける力士はほんの一握り。その実績をみただけで、普段から猛稽古を積んでいるのはわかるじゃないか。決してチャラチャラ生きていたら、あの世界で三役まで上り詰められないぞ。
力士は無口で多くを語らず、淡々と相撲だけ取ってりゃいい、て言いたいんだろうが、僕はあえて「そこいらにいるチャラい兄ちゃん」風なんだが、実はすごく強いという阿炎のような力士も面白いと思う。
また、youtubeでみたんだが、巡業の時に、子供が阿炎に話しかけたら、かなり気さくに受け答えしており、子供も大喜び。その動画では、力士の中で阿炎が一番、その子供と会話していた。こりゃー子供にとって、生涯の思い出になるし、人徳者とまではいわないが、気のいい兄ちゃんって感じで好感が持てる。

だいたい、ＳＮＳで大騒ぎするやつらって、絶対に普段、相撲みていないな、って思う。
若貴くらいまではみていたが、それ以降は全然みていないとかな。そういうのはすぐに「昔は良かった、面白かった」というし。
今の相撲は面白くないから観る気もしない、とか言っている奴らも、一体何が面白くないのか意味わからない。一場所でもじっくり観れば、今現在、若手の台頭が著しくてとても面白いことがわかるし、それこそ阿炎のような若手力士が、土俵を盛り上げている。
ちょっと話題になると、語りたがる奴もいるが、初場所の徳勝龍の優勝なんて、「感動した！徳勝龍おめでとう！」なんて書いている奴が、そもそも優勝直前まで徳勝龍なんて力士知らなかったとか平気で言っているしな。
内館牧子さんが言っていたのだが、一時期、「男女同権、土俵に女をあげるべきだ！」と叫んでいる奴らの殆どが、相撲を実際にみたこともない人たちだったのには驚いたそうだ。
ある女の教授なんかは、「私は相撲のことはよく知らないが」という書き出しで、土俵に女をあげない相撲文化を批判していたらしい。
みてもいないし、知らないことを批判するって、何なんだ一体？ＳＮＳの連中だって同じようなもんだろ。
知らないんだったら黙っていろよ。