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2020年01月30日21:35

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フランチャイズ制という蟻地獄

今日は新宿武蔵野館で「家族を想うとき」を観てきました。

監督:ケン・ローチ

配役(役名):クリス・ヒッチェン(リッキー・ターナー)、デビー・ハニーウッド(アビー)、リス・ストーン(セブ)、ケイティ・プロクター(ライザ・ジェーン)、ロス・ブリュースター(マロニー)他。

労働問題を扱った社会派ドラマ作品です。

マイホームを持つことが夢のリッキーは職探しの末、フランチャイズ制の宅配ドライバーの面接に合格しますが、車は自前の為、介護士をしている妻アビーの車を売ってバンを買います。
アビーは仕方なくバス通勤となり、家を空けることが多くなり、高校生の息子セブと小学生の娘ライザの面倒を見る時間がなくなります。
リッキーの成績は良く所長のマロニーからは称賛されます。

セブが学校で喧嘩をし、リッキーは学校から呼び出されるも仕事で間に合わずセブは2週間の停学処分となります。
間に合わなかったリッキーにアビーは不満を募らせ、夫婦仲に亀裂が入り、リッキーはマロニーに休暇を要求しますが、マロニーは交代要員がいないとこれを撥ねつけます。

今度はセブが万引き事件を起こし、リッキーは仕事どころではなくなり制裁金覚悟で万引きをした店に行き、何とか穏便に済ませてもらいます。
リッキーはセブに説教をしますが、セブはスマホをいじってばかりいて、リッキーがスマホを取り上げるとセブは家を飛び出してしまいます。
家族がこんな状態で幼いライザは体調を崩してしまいます。
セブは家中のリッキーが映っている写真に悪戯書きをし、車にも落書きをし、車のキーがなくなり、リッキーはセブに手を挙げてしかりつけ、セブは家を飛び出してしまいます。

しかし、キーを隠したのはライザで、彼女は壊れてゆく家族を取り戻したい気持ちからの行為だったと告白します。
再び、宅配の仕事に出たリッキーですが、荷物を取り出そうとしたときに強盗に襲われ大怪我を負います。
1部の荷物と客のパスポートが2冊盗まれ、スキャナーが壊され、病院で診察待ちのリッキーに電話が入り、高額な賠償金を請求され、隣で聞いていて怒ったアビーが電話口でマロニーを罵倒します。

ようやくセブが帰宅しますが、怪我で右目しか見えないリッキーは借金を返すため、宅配の仕事に出ようとします。
セブとアビーが車を遮って止めようとしたものの、リッキーは2人を振り切って仕事に出て行くのでした。

昨今、コンビニの24時間労働問題と重ねて見た経済評論家が本作を絶賛していたので、上映終了1日前に観に行ってきました。
フランチャイズ制といえば、以前に観たマクドナルド創業者から、その座を奪った男を描いた作品と重なるのですが、労使の関係というより主と奴隷のような関係に見えてしまいます。
劇中で主人公が所長に相談や請願をするも、あくまで雇い主の監視役と個人経営者の関係で、休みたければ自分で代わってくれる人を探し、休めば制裁金が課せられるという高いリスクのある仕事であるように描かれています。
所長はといえば、ドライバー罵倒されたり、時には暴力を振るわれることもあるのですが、それらを受け流す術を身に着けたと主人公に語っています。

このビジネスモデルは現代の奴隷制度といえそうで、末端で働く人たちは、まるで蟻地獄にハマってしまったかのようでした。

公式サイトURL
https://longride.jp/kazoku
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