会場：兵庫県立芸術文化センターＫＯＢＥＬＣＯ大ホール
兵庫県立芸術文化センターは気軽にクラシック音楽を楽しめるようにプロムナードコンサートと
云う企画を打っている。席種によっては廉価に一流音楽家の演奏を楽しめる。
今日は開演が早く既に開場していた。今日もＭさんがＣＤを売っていた。目当ての盤があるので
寄った。
「萩原さんがベートーヴェンを出されたとか。」「これだね。」指し示したＣＤに堤剛さんと収録した
ベートーヴェンのチェロ・ソナタ４番。しかも４番は堤さんの生演奏を聴いた事がある。
2020年01月13日 14:00開演
出演者(敬称略)
Ｐｆ：萩原 麻未
Ｖｎ：辻 彩奈
Ｖａ：安達 真理
Ｖｃ：横坂 源
Ｃｂ：加藤 雄太
ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト(1814〜1865)作曲
シューベルト「魔王」の主題による大奇想曲
Ｖｎ
シューベルトがテーマのコンサートで何故エルンストか、と言われるかもしれないが主題が
シューベルトの代表作「魔王」Ｏｐ．１なのである。原曲はテノールとピアノによる歌曲であるが、
２人の演奏者をヴァイオリン１台で演奏する。言うのは簡単、演奏するのは、とても難しい。
右手で弓を動かしながら左手でピチカート、なんというのも出て来る。聴いている分には「魔王」
そのものなので分かり易い。エルンストがパガニーニの後継者と言われたのも頷ける。
１曲目から観客は大盛り上がりで袖に引いた辻さんが呼び戻されて何とスタンウェイの後ろに
隠されていたマイクを手にして驚きのお話しをされた。
今回の５人は３年前「題名のない音楽会」で出会って食事を共にする程、仲良くなりまして
又やりたいね、という話をしていましたら実現しました。
偶々私は、その日の「題名のない音楽会」を観ていた。ＴＶで聴いたからと言って、そっくり
そのまま生演奏が聴けるなんて。
フランツ・シューベルト(1797〜1828)作曲
４つの即興曲Op.90(D899)から第２番変ホ長調
Ｐｆ
今回、初めて萩原さんのピアノソロを聴く。前回は約２年前でベートーヴェンと
チャイコフスキーのピアノトリオであった。
Ｄ899-２を聴くのは初めてではない。もう４年近く前になるが仲道郁代さんのコンサート。
その時、「当時のピアノを反映した高音のコロコロとした音色」に仲道さんは言及されたが
改めて萩原さんの演奏を聴くと輝かしさとドラマティックとダイナミックを同時に感じた。
と言うのは小品だが途中で転調が行われているから。今日はスタンウェイでの演奏だが、
それでも鍵盤の端まで使う印象。
エレンの歌第３番Ｏｐ．52-６、Ｄ839
Vc＆Ｐｆ
所謂シューベルトのアヴェマリア。1825年の作曲。ヴァイオリンとピアノの版のＣＤが手元に
あるが、チェロ版は、ない。先程、萩原さんのピアノトリオを聴いた事がある、と書いたが
共演者の一人が横坂さんであった。朗々としたチェロの調べ。
お二人もマイクを手にしてお話し。萩原さんはピアノ協奏曲では出た事があるホールだが、
ソロや室内楽は初めて、横坂さんは、「ここは初めてですが舞台の床が良い。チェロはピンを
差して弾きますので」(つづく)
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