マイミクのロベルトさんが本曲を取り上げていらっしゃいましたので。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770〜1827)作曲
ヴァイオリン協奏曲ニ長調Ｏｐ．61
指揮：ゲルハルト・ボッセ(1922〜2012)
ヴァイオリン：岡山 潔(1942〜2018)
管弦楽：神戸市室内合奏団
本盤は再び収録する事はできない。指揮者もソリストも亡くなってしまったから。
抑々、神戸市室内管弦楽団定期演奏会の会場で同団の岡山潔音楽監督を偲んで制作された
ＣＤが販売されていたのに気付いて買った、のが購入の経緯であった。私が、とても気になる曲
が他ならぬ本曲であった。ボッセさんはゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートマスターを
務めた方で奥様が日本の方であったからか収録時の肩書は
神戸市室内合奏団音楽監督であった。ボッセさんが亡くなった後、後を継いで音楽監督に
就いたのが岡山さんで、一昨年ホルン奏者とオーボエ奏者が入団して神戸市室内管弦楽団と
なったのを見届けるように亡くなってしまった。
実はボッセ指揮 神戸市室内合奏団のベートーヴェン作曲 交響曲第４番のＣＤが手元にあり、
私にとっては整合性のある選択。しかも岡山さんのベートーヴェンを聴いた事がある。
もう４年７ヶ月も前の話だが岡山潔弦楽四重奏団の演奏会でＨｅｓｓ．32と11番「セルリオーソ」。
東京芸大奏楽堂でのライブ収録。冒頭ティンパニーの静かな事。続いてオーボエ。
行進曲みたい。Allegro ma non troppo。然程速くはない。ソリストがト長調で入って来る。
ニ短調が紛れていたりするが、全体的に明るい。と言うのはブロイニング夫妻の結婚祝いで
献呈されたのである。この点で歌劇「フィデリオ」との繋がりを藤本一子さんは指摘する。
本曲、楽聖自身はカデンツァを書いておらず岡山さんはヨーゼフ・ヨアヒム版を採用。
この版は冒頭のタンタンタンというリズムが反映しており、それでいてヴィルトゥオーゾな
バージョンである。
第２楽章は＃が１つ減ってト長調。丁度同時期に作曲されたピアノ協奏曲第４番がこの調で
同じように優美。アタッカで第３楽章へ。第３楽章はロンド。本盤はゆっくり目。リズミカル。
本盤を選んだもう１つの理由は来週より神戸市室内管弦楽団のベートーヴェン・シリーズが
始まる事。全ての交響曲、協奏曲が演奏される。ゆえに本曲も演奏される予定である。
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