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2019年12月03日13:19

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三題話「森・黒・綱」

狩人が仕掛けたものであろう網罠に小動物がかかりもがいている
深き森の賢者はため息をついて横に手を振る
それだけで網の口は切れ
小動物は地面に落ち、慌てて逃げて行った

この森は少し前まで古代魔女の封印を受け
黒き森と呼ばれ
誰一人入ってくるものはいなかった

つい最近勇者なるものが結界を破り
勇者たる行動を示すために向かう
通行の近道に使わなければ・・・

6000年封じられた森は
白き体の赤き瞳の獣たちであふれて居た
光をほぼ通さぬ生態系の限られた空間が生んだ
珍獣たちだ

それが今は結界がとけたことで
乱獲者が増えていた

自分に古代魔女のような森ひとつを封印する力はない
仕方なく罠を回り動物たちを逃がしてるのだが
人間とこれで折り合いがよくなるわけでもなく

もともと人嫌いで知られてた賢者は
人々からも疎まれ始めていた
獣たちでなく
自分が狩られる日も近いか・・・



そしてそんな日が来た
多くの冒険者たちに囲まれ
行き絶え絶えの賢者

そこへ一組の冒険者がくる
立派な紋盾をかがけ
他の冒険者に高らかに宣言すると

誰もがおずおずと身を引いて去っていく
それを見ながら賢者は気を失った

賢者は看護で目が覚めると
まず、その立派な冒険者に礼をいう

そして会話を進めてくうちに
それがこの森の結界を崩した勇者だと知った
勇者は賢者に自分たちと森をでるように言われた

森の現状を話離れるわけにはいかないことを告げると
もう心配ないからという
この勇者、結界を破って通ることにより
生態圏が壊れつつある森を憂い
なんと結界を張れる古代の生き残りの魔術師を連れてきて
結界を張りなおしたのだ

森は再び黒き森と化した

そして賢者は勇者についていく
勇者が勇者と呼ばれる本質を賢者は知ったのだった


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