FEを振り返る

さて、結局ディミトリのルートを最期の最期でずーっと攻略できずに居ましてポケモンも発売されるしそろそろなんて思いつつもどうしても踏ん切りがつかない状態が続き、ついにネタバレ動画を見てしまいました。

とても良い出来ですが、どうしても受け入れにくくそういった意味で「やらなくていいのかもな」という所に今は落ち着いています。

幸か不幸か私はエーデルちゃんルートからゲームをはじめてしまったせいで、あのエンディングが無意識で本当の歴史と刷り込まれている以上、どうにも青ルートの展開を受け入れられない感があるようで。

先入観というのでしょうかね、いずれにせよ帝国のやり方は強引ながらきちっと覇道を魅せてくれましたし、あれはあれで非常に合点の行く展開といいますか、中世ヨーロッパの堕落してしまった信仰と貴族主義に待ったをかける強硬派というような形で、立ちふさがる勢力には心を痛めましたが突き進めるものでした。
横を固めるフェルディナントとヒューベルトあたりも癖がありながら結構好感の持てる人物でありましたというのもあるかもです。

エーデルは黄、赤、青、どのルートでも「覚悟を決めた武人」なのに対しディミトリは青以外は無様に野垂れ死ぬ狂犬でしかない。
自分ルートの青ルートでさえ途中やさぐれで悪堕ちごっこしているところを厚い臣下の犠牲を何回も何回も踏んでようやっと目を覚ます始末。
正直こいつどうなのと思って居ながらプレイしてたので青の最期のエーデルを討つシーン・・・エーデルとの「覚悟の違い」に草生えたわ・・・失笑ね。

もうSAN値ゴリゴリ削れて「エーデル殺す」しかしゃべらなかったバトルマシーンが臣下の手厚いサポートでメンタルV字回復した後「エーデルと対話がしたい」みたいな王道友情路線みたいなイミフなぶれ方されて、そんな生き様ちゃらんぽらんな男に信念だの正義だの大義だのをぶつけ合って何故かエーデル負けちゃうルートでしょ？
最期の最期、全てが決まったあの一瞬でも不意打ちで殺しに来るエーデルちゃんと、なんか「勝者は決まった後は対話」みたいにワンチャン首はねないかのようなあの舐めプはどこから来るんだろう・・。
ドゥドゥーとギルベルトが「絶対守るマン」だからそれでも期待してんの？と言わんばかりの無防備舐めプ。

青ルートは本当にどうにかならんかったのかあのディミトリという男、闇のある隻眼の金髪イケメンという売り出しは全然いいのだが着想に引っ張られすぎてて３人の生きざまが全然並列じゃない。

ただただイケメン金髪が幼少時代に世間からのハラスイベントでメンタルぶっこです、欠陥品です。
みたいなのは・・・。

クロードの時のエーデル戦はすげー腑に落ちてて
「なんかまじで不本意に一方的に帝国殴って来るんだけど、これ・・・まじで正当防衛で殺す以外うちら活路無いわ・・・大事な仲間殺す明けにはいかないよ・・」
というのがスゲー伝わってきてて、クロード君もこの戦争以外でやる事いっぱいなので死んでる場合じゃないので討つみたいな展開、巻き添え展開だけど凄くきれいに描写されてて、帝国の手法もある程度は理解しながらも、一線を越えた暴走は無視できんという雰囲気が伝わったり。
帝国×王国（教会）の構図で見えにくいフォドラの根深い闇に足を踏み入れてみたりと、見どころ満載で楽しかったんだけどなぁ。
黄色ルートのときはエーデルも勿論良かったけどヒューベルト、お前は特にいい味出してた。


で、全ルートに共通なのはドゥドゥーはぶれない。
登場タイミングはどのルートでも別で色んな境遇で出くわすのだが、大概ドゥドゥーらしさがにじみでつつ、その中で自分の役割を遂行するさまはロール含めタンク職含め凄くうるっと涙腺に来るものがあった。

ルナティックや追加EP、新規キャラ、もしかしたらネメシスを交えてより深い過去のシナリオなんかもあるのかなと今後予定されますが今のところここでおしまいかな、１５０時間も遊べば元はとれてるだろうし・・・。

戦記物としては１００点満点な出来ではあるがFEとしてのお約束の邪龍討伐がまだなので・・・とはいえここで邪龍を交えて３国結託は透魔王国の失敗から是非避けてほしい流れかと。
戦記の時代を生きた武人たちのあれやこれの生きざまが軽くなってしまう。

きっとファンの皆さんは後編の３人が一堂に会し邪龍を倒し、ブリーフィングでは学園時代の謎ほのぼの雰囲気で仲睦まじいのを望んでいる人も居るかもしれない。

私もそれを観たら綻んでしまうだろうね。

でもそうすると作品全体のイントネーションやアクセントが崩れてしまう気がする。


あと少しで手が届きそうな完璧なエンディングを掴み切れずそれでも残った（掴み取れた）大切なものを４つの視点で描ければこの作品は名作なのではないでしょうか。