この話は「突然ですが遊戯王小説です」のそのさんです。
その2はこちらからどうぞ。
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現在の状況
メルのメインフェイズ
リシド LP5000 手札 ゼロ枚
伏せカード 二枚 『王家の神殿』
『聖獣セルケト』
『暴走魔法陣』
『召喚獣ライディーン』
『憑依装着ーエリアー』
『憑依覚醒』
メル LP2500 手札一枚(ドラゴンメイド・ティルル)
リシド「召喚獣・・そんな隠し玉をデッキに入れてたとはな」
メル「召喚獣こそ、元々の僕のデッキだ。
六属性の憑依モンスターと召喚獣を組み合わせたデッキだけどドラゴンメイドは属性もバラけてるし融合モンスターと相性の良い効果を持っているから試験的に入れてるんだよ」
リシド「成る程な・・」
リシドはチラッとメルの場に置かれた二枚の魔法カードに目を向ける。
暴走魔法陣 フィールド魔法
「暴走魔法陣」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、 デッキから「召喚師アレイスター」1体を手札に加える事ができる。
(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、 融合モンスターを融合召喚する効果を含む効果を自分が発動した場合、 その発動は無効化されず、その融合召喚成功時に相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。
憑依覚醒
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのモンスターの攻撃力は、 自分フィールドのモンスターの属性の種類×300アップする。
(2):自分フィールドの「霊使い」モンスター及び「憑依装着」モンスターは効果では破壊されない。
(3):自分フィールドに元々の攻撃力が1850の 魔法使い族モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動する。 自分はデッキから1枚ドローする。
リシド(憑依覚醒の(1)により攻撃力は600ポイント上昇。
更に暴走魔法陣により融合モンスターである『召喚陣』は召喚を邪魔する事が出来ず、憑依モンスターである『エリア』は効果で破壊されない。
追い詰められながらも、自分の布陣を作り上げているな・・)
召喚獣ライディーン ATK2200→2800
憑依装着ーエリアー ATK2150→2450
メル「召喚獣ライディーンの効果発動!」
召喚獣ライディーン 風 星5
線士族・融合・効果
「召喚師アレイスター」+風属性モンスター (1):1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを裏側守備表示にする。 この効果は相手ターンでも発動できる。
ATK2200/DFE2400
メル「1ターンに一度、モンスター一体を裏側表示に変更させる!
聖獣セルケトよ、眠れ!!」
リシド(・・・・)
メル(この効果が通れば、セルケトを倒す足掛かりが出来る!頼む、通れ・・!)
リシド「・・いいだろう、その効果はとおしてやる」
聖獣セルケト 攻撃表示→裏側守備表示
メル(通った・・後は攻撃すればセルケトを倒せる・・だけど・・)
メルの目に映るは、二枚の伏せカード。
魔法カードを発動し、融合召喚を決め、効果を発動して尚翻らない、伏せカード。
メル(また、攻撃が通らない可能性がある。かといって、攻めあぐねる事も出来ない。
僕は、僕に出来る事を全部やってやる!)
「更に、除外された『アレイスター』を対象に墓地の『召喚魔術』の効果発動!」
召喚魔術 通常魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを手札から墓地へ送り、 その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。 「召喚獣」融合モンスターを融合召喚する場合、 自分フィールド及び自分・相手の墓地のモンスターを除外して融合素材とする事もできる。
(2):このカードが墓地に存在する場合、 除外されている自分の「召喚師アレイスター」1体を対象として発動できる。 墓地のこのカードをデッキに戻し、対象のモンスターを手札に加える。
メル「アレイスターを手札に戻し、召喚魔術をデッキに戻す!」
召喚獣アレイスター→手札
召喚魔術→デッキ
リシド(アレイスターは召喚時、デッキから『召喚魔術』をサーチする効果がある。 これで次のターンも融合出来る準備は出来たな)
メル(更に、アレイスターは手札から捨てれば融合モンスター一体の攻撃力を1000ポイント上昇する効果がある・・仮にセルケトが起き上がり僕に攻撃しても、返り討ちにしてやる)
召喚師アレイスター 闇 星4
魔法使い族・効果
(1):このカードを手札から墓地へ送り、 自分フィールドの融合モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで1000アップする。 この効果は相手ターンでも発動できる。 (2):このカードが召喚・リバースした場合に発動できる。 デッキから「召喚魔術」1枚を手札に加える。
ATK1000/DFE1800
メル(よし・・このターンで出来る準備はここまでだ。
後は、攻めるだけ!)
「バトルフェイズに入る!」
リシド(・・・・)
メル「『憑依装着ーエリア』!
裏側守備表示のセルケトに攻撃だ!」
エリア『うん!い、いくよー!』
エリアが杖を構え、セルケトに向かい走り出していく。
エリア『水よ、私に力を貸して!
エリアル・スプラッシュ!』
エリアが呪文を唱えると杖が輝きはじめ、強力な水が噴き出していく。
メル(セルケトの守備力は2000!
今の強化されたエリアなら倒せる・・!)
リシド「罠カード発動!」
メル「!」
リシド「『くず鉄のかかし』!」
くず鉄のかかし 通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に、 その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。 その攻撃を無効にする。
発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。
メル「あれは、さっき破壊したカード!?
いや、二枚目か・・!」
リシド「そう、このカードはデッキに二枚入ってる!
くず鉄のかかしの効果により、攻撃は無効となる!」
憑依装着ーエリア 攻撃→無効
リシド「そして発動後、『くず鉄のかかし』は墓地に送られず、セットされる・・」
くず鉄のかかし→セット
メル「く・・なら、召喚獣ライディーンで攻撃!(翻るな、二枚目のカード・・!)」
メルはすがる気持ちで二枚目の伏せカードを睨み付ける。
そして、二枚目の伏せカードは翻らない。
翻ったのは、一枚目の伏せカード・・。
リシド「罠カード発動!
『くず鉄のかかし』!」
メル「!?」
くず鉄のかかし 通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に、 その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。 その攻撃を無効にする。
発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。
メル「な・・!?」
リシド「召喚獣ライディーンの攻撃は無効化され、このカードは再度セットされる!」
召喚獣ライディーン→無効
くず鉄のかかし→セット
メル「・・三枚目の『くず鉄のかかし』・・?」
リシド「いいや、違う。
私の場にこのカードがあるのを忘れてたな?」
そう言って、メルはハッと気付く。
リシドの場に存在するカードの一枚が、怪しく輝いていた事に。
王家の神殿 永続魔法
「王家の神殿」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分は罠カード1枚をセットしたターンに発動できる。
(2):自分フィールドの表側表示の「聖獣セルケト」1体と このカードを墓地へ送ってこの効果を発動できる。 手札・デッキのモンスター1体または エクストラデッキの融合モンスター1体を特殊召喚する。
リシド「『王家の神殿』が場に存在する限り、セットされた罠カードは1ターンに一度だけ発動出来る。
そして、くず鉄のかかしは発動後、自身の効果で『セット』される。
つまり、王家の神殿が存在する限りくず鉄のかかしは1ターンに二度発動出来るのだ」
メル「そんな・・!
た、ターン、エンド・・」
リシド「私のターン、ドロー」
メル(あ、慌てるな・・『召喚獣ライディーン』の裏守備効果は相手ターンでも可能だ。
仮にセルケトが起き上がり攻撃してきても、効果を発動すれば動きを止められる・・!)
リシド(ふむ・・このターン、セルケトをリリースし、融合モンスターを場に出せばライディーンを倒す事は出来るが、メルのライフを削れない。
そして次のターン、セルケトを融合素材に召喚獣を出して反撃するのは目に見えている。
なら、ここは目に見えない闇を増やすとしよう)
「私はカードを一枚伏せ、前のターンに伏せたカードを発動させる」
先ほど、メルが翻ってほしくないと願い続けたカードがあっさり翻る。
そのカードは、緑色だった。
リシド「魔法カード発動。
『命削りの宝札』」
命削りの宝札 通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、 このカードを発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。
(1):自分は手札が3枚になるようにデッキからドローする。 このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。 このターンのエンドフェイズに、自分の手札を全て墓地へ送る。
メル「つ・・通常魔法?」
罠カードじゃ、ない?
リシド「命削りの宝札の効果によりカードを三枚ドローする。
どうした?顔が青いぞ」
リシド 手札ゼロ→三枚
メル「そ、そんな強力な効果なら何で前のターンに発動しなかったのさ!」
リシド「このカードには3つのデメリットが存在する。このカードを発動したターン、私は特殊召喚できず、相手にダメージを与えられず、エンドフェイズに手札を全て捨てなければならない。
おいそれと発動出来るカードではないのだ。私はカードを更に二枚伏せ、エンドフェイズに最後の手札を捨てる・・」
ラーの翼神竜〜不死鳥〜→墓地
リシド「改めて、ターンエンドだ」
メル「伏せカード・・4枚・・!」
メルの目に映るのは、リシドの足元に伏せられた4つの罠。
これから自分はその罠に飛び込まなければいけないという恐怖が、メルを襲う。
メル「く・・!」
リシド「どうした?
また、お前のターンが来たぞ?」
メル「・・ど、ドロー・・!」
・メルのドローカード
異次元からの埋葬
メル(僕のライフは少ない上に、防御札が全然引けない。だから攻めるしかないわけだけど、このまま待っても一つも良い事がない。
でも、どれで攻めよう。
あのカードのリンク召喚の条件は整ってるけど、出した所であまり意味はないし。ここは、もう一度・・!)
「三度目の『ドラゴンメイド・ティルル』を召喚!」
ドラゴンメイド・ティルル 炎 星3
(ドラゴン族・効果)
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。 デッキから「ドラゴンメイド・ティルル」以外の「ドラゴンメイド」モンスター1体を手札に加える。 その後、手札から「ドラゴンメイド」モンスター1体を選んで墓地へ送る。
(2):自分・相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。 このカードを持ち主の手札に戻し、 自分の手札・墓地からレベル8の「ドラゴンメイド」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
ATK500/DFE1700
リシド「ドラゴンメイドか・・」
メル「ティルルの効果発動!
デッキから『ドラゴンメイド・ルフト』を手札に加え、墓地に送る!」
ドラゴンメイド・ルフト
リシド(ドラゴンメイドは確かレベルを対象にして強力モンスターを呼び出す筈。
ならあれもティルルの対象モンスターである可能性が高い、ならこのタイミングで・・)「速攻魔法発動」
メル「!」
リシド「『墓穴の使命者』」
墓穴の使命者 速攻魔法
(1):相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを除外する。 次のターンの終了時まで、この効果で除外したモンスター及び そのモンスターと元々のカード名が同じモンスターの効果は無効化される。
リシド「このカードの効果により、『ドラゴンメイド・ルフト』を除外する。
更に私のターン終了時まで除外したモンスターと同名カードの効果を発動出来ない。これでこのモンスターは封じた」
ドラゴンメイド・ルフト→除外
リシド(これで手を一つ潰した。
あと注意するのはリンク召喚ぐらいか・・)
メル「・・ようやく、隙を見せたね?」
リシド「?」
メル「デュエルには、安全な手は無い。
どんなにガードを固め、相手を阻害しようが・・それを越えるのがデュエリスト!
速攻魔法発動!『異次元からの埋葬』!」
異次元からの埋葬 速攻魔法
除外されている自分及び相手のモンスターの中から 合計3体まで対象として発動できる。 そのモンスターを墓地に戻す。
メル「『異次元からの埋葬』は除外されたカードを三枚まで墓地に戻す!
この効果で、『ドラゴンメイド・ルフト』『ドラゴンメイド・フランメ』『チャウチャウちゃん』を墓地に送る!」
ドラゴンメイド・フランメ→墓地
ドラゴンメイド・ルフト→墓地
チャウチャウちゃん→墓地
リシド「・・!」
メル「メインを終了!そして、バトルフェイズ開始時に『ドラゴンメイド〜ティルル』の効果を発動させる!
このカードを手札に戻し・・『ドラゴンメイド・フランメ』を特殊召喚!」
ドラゴンメイド・フランメ 炎 星8
ドラゴン族・効果
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードを手札から捨て、 自分フィールドの「ドラゴンメイド」モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで2000アップする。 この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):自分フィールドに融合モンスターが存在する限り、 このカードは効果では破壊されない。
(3):自分・相手のバトルフェイズ終了時に発動できる。 このカードを持ち主の手札に戻し、 手札からレベル3の「ドラゴンメイド」モンスター1体を特殊召喚する。
ATK2700/DFE1700
リシド「除外した筈のドラゴンメイドが場に出現した・・!」
メル(ルフトでも良かったけど、ここは手札にいて安心のフランメの方が安定する。
これで攻め手は三体、くず鉄のかかしで止められるのは二体までだ。
後は・・)
メルはもう一度、リシドの場を確認する。
リシドの場。
裏守備モンスター(聖獣セルケト)
伏せ3枚(内一枚はくず鉄のかかし)
王家の神殿
メル(今まで発動しなかった二枚の伏せカードは何を意味するか分からない
でも、もう臆する訳にはいかない!)
リシド(融合モンスターが場に存在する時、ドラゴンメイドモンスターはカード効果では破壊されない。
くず鉄のかかしで防げるのは二度まで。
徐々にではあるが、私の罠で対処できなくなっている。
だが・・)
リシドの墓地が、怪しく輝きはじめる。それを見てリシドは眉をひそめた。
リシド(私の更なる罠は、それを遥かに凌駕する・・。その準備は、既に出来ている。
さあ、踏み込むがいい、若者よ。
自らの愚かさを学ぶ為に・・)
続く
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