mixiユーザー(id:12645834)

2019年10月11日13:34

205 view

台風になると船や田んぼを見に行くわけ

台風が近づいている。
こういう時に、海を見に行った、田んぼを見に行ったっていう事故の報道がされる。これを軽薄なアナウンサーやコメンテイターが揶揄するような発言が多い、曰く「余計なことをしてないでじっとしていろ」って…
でも、決して遊び半分で行っているわけじゃない。
海なら、船がもやってある。船と岸壁のビット(係留柱)を太いロープでつないである。問題は海には干満があるために海面が上下する。このビットと船をつないでいる綱の長さが問題だ。干潮の時に短いと船が宙づりになる。逆に満潮の時に短いと船が水の中に潜ってしまう。潜らなくても水面に非常に近いところまで水面が上がってきてしまうと船体に水が入ってしまう。台風は低気圧だから近づくと気圧が下がって、海の水を吸い上げるような動きをする。すると海面が持ち上がって満潮とかちあった時は海面がさらに1mくらいは上がることになる。
海水は塩水だから電気を通す。スイッチで電気が遮断されていても、小尾部分が海水につかると導通してしまいいわゆるショートした状態になる。漁船などは簡単な回路だから、バッテリー、スイッチ、エンジン、ランプ程度だ。だからスイッチ一つ飛び越えると全体がショートして配線が焼き切れてしまう。
かつて、松山の家の漁船が巨大台風で浸水した時は配線が全部焦げていた。もっとも簡単な配線だから修理もそう難しくはない。漁船なら普通の家庭のコードで充分だ。
だから、漁師さんや海運をしている小さな船(水面から1mくらいの…)は、水面との距離でもやい綱を縮めたり伸ばしたりするわけだ。

農家も水田の水門調節は大切な仕事だ。ひとつは降雨量に応じて田の取水口と排水口の開口幅を変えて水量を調節するわけだ。農家では朝に水を入れて夜抜くというような綿密な水量管理でコメの品質を作り出している。全体の水量も綿密にコントロールして良質な米を作っている。だから品質管理上に水量の調整は必要だ。
さらに、大量の雨が降りと上流側の水が下の田んぼに大量に流れ込んだら下流の農家に氾濫することになる。小さい用水路は許容量が少ないので容易に氾濫してしまう。
さらに台風による大雨なら流木などの異物が多いので、これが末端の小さい用水路で詰まってしまう。これを取り除くのはリモコンのスイッチというわけにはいかない。だから農家の皆さんは用水路を見に行くわけだ。関西の方のアナウンサーは小ばかにしたように『用水路の様子を見に行った』と言うだけなんだけどね。

2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する