理想論も上辺の正義も、単純な言葉である必要も、時にはある。
だが、彼女の言い分は感情任せ一辺倒で複雑な世界の構造をまるで理解していない。
各国の首脳陣も上辺は理解を示しても、内心は実現不可能な単なる罵詈雑言に苦笑しかできていないだろう。
■温室効果を懸念し、ヨットで渡米
グレタ氏は、飛行機で移動する人を「飛び恥」と批判していたが、帰国する船長やスタッフが飛行機で帰っても、彼らを批判しなかった。
彼女とその家族は世界一周ヨットレースのために製造されたレース用高速ヨット「マリツィア�狭罅廖腹�太陽光パネルと水中タービンで発電できるハイテク小型船）で、排出量ゼロで2週間かけて渡米し、米大陸には9か月間滞在するという。そしてヨットの渡航費用は今計算中とのこと。
彼女も周りもおかしいと思わないのだろうか。
彼女は温室効果を懸念しているのだから、可能な限り少ない手段を取るのは理解できるが、ここまで金と労力を掛けて実施することに何の意味があるのか。
この労力には他で温室効果のある作業が含まれているし、誰もがマネできない（同様の暮らしをしたら生活が成り立たない）行為を実施しても、結果的に金と時間と人手を持っている「グレタ氏にしかできない」見せしめでしかない。
それは「飛行機が満員で乗れない人がいる」と訴える人が自家用ジェットで目的地へ行ってるようなもので、滑稽なものだ。
世界的に、かつ経済発展を重視せず削減を促すなら、自身があくまでも「可能な限り」の削減方法で生活をしてみせる必要がある。だがそれは生活費を稼ぎ、他の人達でもできる生活なのだという可能性を示さねば全く意味が無い。
■グレタ氏の見解は目先の問題のみ
彼女の母親は「裸の王様」の話に例えてこう ”揶揄” した。
『彼女は私たち他者が見たくないものを見ている。グレタは二酸化炭素が肉眼で見える数少ない人の一人です。彼女は温室効果ガスが煙突から流れ出し、風で空に上がり、大気を目に見えない巨大なゴミ捨て場に変えているのを見ています。彼女は子供であり、私たちは王様です。そして、私たちはみんな裸です』
要は、王様で裸な大人は現実を直視していない、子供で服を着てるグレタ氏の言い分が正しい、と。
ただ彼女は大きな問題を見落としている。それは
『なぜ王様は裸でいるのに立派な服を着ていると主張する必要があるのか』
揶揄の題材となった物語と違って、世界が何故温室効果削減についてこうも進展が無いのか、そこを見ようとしていないのが ”子供” である。
例えば「戦争はやめよう」誰もがそう思うし、そう言う。
だが、現実として戦争は無くならないし、その縮図は方法と程度の違いはあれど、各市町村、各家庭、各人で日常的に行われている。その発展系が戦争なだけだ。それらを理解せずに戦争は無くせない。同様のことがグレタ氏の主張にも言える。
グレタ氏は「環境問題と経済問題」をバーターしている。
環境問題で死ぬよりも「不況で大勢死んでいった世代」からすると、「今そこにある危機は一つではない、だから両方やる必要がある」ということになる。
経済発展しないと環境問題に取り組めないし、経済発展したから環境問題に取り組む気になる。昔から発展途上国が言うのは「環境問題を叫ぶのは裕福な連中だ」という現実がある。
グレタ氏は人間というものを理解しようとしていない。そしてそこから生じる他の問題に目を向けようとしていない。目先の「温室効果」のみを見ているから、ヨットで2週間かけ渡米、9か月も学校休んで生活、といった極端な行為が出来る。
また「彼女に対する批判（または子供を大人が嘲笑うこと）は許さない」といった記事や見解も多く見られるが、自身があれ程大勢の前で主張するのだから、賛同を得られないことも、批判・批評も当然ありえる。彼女は絶対な正義ではないのだから。
にも関わらず、彼女自身も共感者もそういった批判・批評から何も学ぼうとしていない。
プーチン大統領はこういった。
『私は彼女の発言に対する熱狂に共感しない。若者が環境問題に関心を持つことはよいが、世界が複雑であることを誰も彼女に教えなかった。途上国はスウェーデンのように豊かになりたいと望むが太陽光発電で行うというのか。コストはどうするのか』
それに対しグレタ氏はこう反論した。
『もう一度、報告書を読んで。これは私の意見ではなく、最も確かな科学だ』
この返答だけで、彼女がプーチン氏の問いかけを真摯に受け止め、きちんと返答しようとしていない事が分かる。彼女はシンプルなデータしか見てない。複雑な世界を理解しようとしていない。これでは何の説得力も持たない。
彼女の活動は、ある意味、それなりの結果を伴うかも知れない。
だが、そこに明確な理解と意志が無いというのは、非常に危険な思想行為に思う。
■文学賞２年分、平和賞候補にグレタさん＝７日からノーベル賞発表
(時事通信社 - 10月06日 07:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5815462
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