書店からざっと立ち読みして、ステサン誌は立ち読み新製品チェックで足りるとパス。
こちらは買いました。
今振り返ると、現時点でもオーディオ評論家の中で最も先進的で、意欲的で、意義があった先生だなということが改めてわかりました。
・オーディオケーブルで音質差。
1975年ころにケーブルで音質が変わることを提言して、メッキ線の悪さを指摘。
メーカーもびっくりしてケーブル差を測定したという真面目にオーディオが科学されていた時代なのですねえ。
同じころというか、ステサン誌がケーブル差に言及するまでの相当前のことです。
先生はわかりやすいケーブル差を聞き分ける実験として、乾電池を使って、ここに長さや太さ、構造が違う各種電線を付けたり離したりしたときのゴソゴソ音の明らかな違いで聴感からのわかりやすい証明にされていたとある。
・音場再生について(スピーカーセッティング)
同じころ、人気だった故菅野沖彦氏は変わらないあの部屋のJBLホーン。
故瀬川冬樹氏はJBL4343を壁にくっつけて設置して、せいぜいやったのはマルチ駆動程度。
他方の江川先生は1970年代にスピーカーのセッティングは、今に通じるフリースタンディングですね。
そののちはこのメカニカルアースの実験では、小型フルレンジをニアフィールドセッティングと名付けられていますが、これも立派なフリースタンディングですね。
日本の狭隘な6畳、8畳といった空間ではこちらの方が適切で、ステサン軍団のJBL4343など38センチウーハーを筆頭とした、いわゆるタンススピーカーは明らかにオーバーサイズでバランスを欠いています。
結局でかいから、それそのものが壁。これを壁に近づけて設置せざるをえません。
さらにその間にコンポを並べるといった昭和シスコンの粋を出られず、音場といった空間もしっかり描けませんでしたね。
要はスピーカーは消えず、そこから音が出ているという電気の再生音を意識させられる音世界・・・・
結局瀬川氏、菅野氏、今なら柳沢氏などの系統ですね
・ルームチューン
スピーカー周囲に観葉植物を置いて、音を拡散。
これも今はうちならKRYNAのアステカなど、ルームチューングッズで当たり前の作法になっていますね。
またバッテリー駆動が音が良くて、AC電源はノイズでダメとしたのも江川先生が評論家では最初。
ステサン執筆陣なんかまるで遅れていた。
その他、当時の江川先生の試みを現代的にモディファイして効果を確認しようという特集で結構楽しめます。
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