ファイルウェブでも自作オーディオもブームのようです。
失敗記事としてお恥ずかしい限りですが、反面教師となれば幸いです。
元はオーディオ専科の300Bプッシュプルアンプの「MOON GROW」というキットを組み立てたものを、設計者の著名な故森川忠勇さんがすべて手直ししていただけた貴重品でした。
ところが、地元の80歳くらいのベテランが「こんなの!」として全部解体。
WE91型をベースにトランスドライブとして作り直したものでした。
何度作り変えても、「ジーブーという残留ノイズ(交流点火)」「眠たい」「抜けが悪い」「暗い」音で聴くのも嫌になって放っておいたものです。
日記を遡ると、2017年5月14日にこのアンプについて、自己評価で「オーディオ落ちこぼれ」として記事を書いていました。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1960395487&owner_id=8290003
先日の松本オーディオの会では、真空管自作アンプのベテランどころか、30年以上サウンドパーツという屋号でたくさんの真空管アンプを製作、販売してきたプロフェッショナルが主催なので、見ていただくことになりました。
結論としては30分、部品4個、部品代1,000円、技術料2千円の3千円で見違える「お目々がぱっちりした」「残留ノイズは我慢できる」「ヌケの良い」「明るい音」になりました。
ここがその部分です。
地元のベテランも完全見落とし?
サウンドパーツ代表水谷さんによると、平蔵のこの自作アンプのようなWE310真空管を前段に持っていって、WE91型回路のような五結ではなく、三結にする場合には五結以上にWE310の動作ポイントを上げなければいけないそうです。
ゲインが落ちるためか、この辺に詳しい方がおられたらお教えください。
元のWE310のプレート電圧は80V弱。これを抵抗値の変更で100V以上に上げたこと。
青い小さなコンデンサーがビシェイの電解ですが、元はニチコンのもので容量も大きすぎたようです。
音質もニチコンよりビシェイの方が躍動的になるのだとか。
地元80歳、数百台作ったというベテランもそれで商売しているプロではないのか、五結と三結での動作ポイントを変更することなく、結線を変えただけだったそうです。
サウンドパーツのアンプと聴き比べても、人によってはこのアンプの方がいいという方がおられてもおかしくない、女性ボーカルの声にはっきりとした芯とエッジ、力感が加わりました。
トランスは30年以上前のアメリカUTC社のもので、しかも入力トランス、段間トランスというトランスだらけの回路です。
トランス性能のバンドパスでナローかと思いきや、そうでないサウンドパーツのアンプと比較しても聴感ではナローという感じはありません。
これなら現代スピーカーのドライブまでいけそうです。
水谷さん、あっという間に見抜いたとはさすがですね。ありがとうございました。
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