総務省は「ふるさと納税」について、簡略すると以下を明言しています。
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【目的】
・地方創生の推進（地域社会の活性化、人口減少対策など）
【手法】
・都道府県、市区町村への「寄附」
・生まれ育ったふるさとへの貢献
・応援したい自治体への貢献
【納税】
・寄附金額の一部が（在住地域の）所得税及び住民税から控除される
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ちなみに『返礼品』は、各自治体が ”勝手に” やり始めた寄付集めの為の呼び水です。
要は、進学や就職に伴って故郷を離れれば、納税できる頃には税収はその地域のものになる。多くの人は産まれた各地方で住民サービスを受け育つので、そういった各地方に何か恩返しというか貢献できる制度があった方が良いのではないか、という事です。
■総務省の曖昧な定義と願望
始まりは
「故郷で住民サービスを受けて育っても、生活の場を都会に移し納税すれば、都会の自治体は税収があっても、故郷には税収が入らない。今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた ”ふるさと” に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」
という、税収の都会集中からの故郷への感謝と還元を目的としたものでした。
その本来の目的を第一に考えると、
「地方出身で都会在住の人が、生まれ故郷への支援、または他の地方への応援」
という事になるのですが、そうなると、そもそも「都会」とは何か？という事になります。「地方創生」を主軸に考えれば、「首府(首都)」と「地方」に分けられるので、「東京」と「それ以外」になるのでしょうが、「都会」と言われると東京以外も含まれるので面倒です。ですが「都会」だの「地域社会の活性化」などの文言を見れば、総務省の言いたいことは
「過疎化の進む、都会じゃない地方（田舎）との格差を何とかしたい」
という一点のような気がします。
しかし、実際の制度では都会や地方といった区分けが無くなり、誰でも何処へでも寄付ができるような制度になっておます。
かつ「自治体は納税者の ”志” に応えられる施策の向上を」のような、ぼやっとした丸投げも加わって、定義や解釈、更には目的までもが曖昧になっています。
個人的には「きっかけとなった始まりの話を基に、各自治体も意味を考慮し、度を弁えた適切な対応を勝手にしてくれるだろう」といった、まるで性善説を土台としたようなご都合的な考えだったのではないか、と思ってます。
■意義と返礼品のすれ違い
総務省は先の話を基に、更に「３つの意義」を示します。
（1）納税者が寄附先を選択する事で、使われ方を考えるきっかけとなる
（2）生まれ故郷、お世話になった、応援したい地域へ力になれる
（3）自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、
自治体間の競争が進み、地域のあり方をあらためて考えるきっかけとなる
この（1）〜（2）までであれば、問題は少なかったと思います。この２つは
・「ふるさと納税」の主旨に適っている
・納税者の負担が少ない
・故郷や理由があった応援したい地域へ貢献できる
といったものですから。
この（3）の定義が曖昧で、かつ解釈が様々になった為、どこかの地域がやり始めたのが『返礼品』です。『返礼品』は、総務省の掲げた意義の通り「納税の呼びかけ」の一端を担っており、地場産を返礼に使用する事で「地方創生」にも繋がるのですが、これが問題視されています。
個人的に『返礼品』で、大きな問題と感じるものは下記の通りです。
�� 総務省が返礼品を推奨した訳でもないのに、介入してきた
�� 地場産や地域活性化に繋がらない返礼品が出てきた
�� 利権が絡む
�� ですが、
総務省が各自治体にやり方を任せておきながら、その『返礼品』を見て「返礼品に地場産を使えば地域活性化に繋がるし、町興しにもなる。各自治体で競争すればより良くなるだろう」と、勝手な解釈と期待をしたのが問題です。
良い悪いは別にして、『返礼品』は自治体の案であり、元々 ”返礼品とは地場産でなければならない” といった制限はありません。その為、泉佐野市の「金券」も、単純な寄付金集めとしては数ある手段の一つとして全く問題はありません。
総務省が各自治体に任せておいて、後から条件を出す事は問題に思います。
�△任垢�、
そうはいっても本来の主旨に「故郷・応援したい地域への貢献」，「税金の使われ方を考えるきっかけ」，「地域創生」などがある以上、総務省の思惑通り、地場産の品を使用する方が理にかなっています。
アマゾンギフト券などを掲げると、肝心の「自治体の取組」，「税金の使われ方」などが不明瞭になり、単純な個人の目先の利益にしか目が向きません。また、地域の活性化にはほぼ活かされません。
これを良しとすると ”「ふるさと納税」に対する『返礼品』が不当” と言っても過言ではなくなると思います。
��ですが、
多くの大手企業（楽天，Yahoo!，JALなど）が関わっています。当然ですが慈善事業ではありませんので、儲からなければ関わりません。莫大な広告宣伝費を支払ってもあまりある儲けを稼ぎ出しているという事になりますが、その儲けは税金から捻出されていますし、これこそ主旨から外れています。
『返礼品』は使う方向性を見失うと、意義を損ないます。
■どうあるべきか
あまり多くを求めないか、方向性をもっと明確にすべきに思います。
「ふるさと納税」の主旨（意義）をもっと前面に出し、個々人の利益に沿った、主旨外の納税はさせるべきではありません。
故郷への貢献であれば生まれ育った市町村 限定の納税とし、控除にも差をつける等の違いを持つべきで、応援したい地域があるのであれば、その地域の取組や在り方によって貢献できるようなやり方であるべきに思います。
『返礼品』も本来は悪くないどころか妙案と言うべきものですが、ここまで拗れた以上は、単なる悪手としかなりません。
寄付金集めに関しても個人の利益にしか繋がらなくなった『返礼品』は廃止させるべきです。実際に泉佐野市の取組や税金使途をきちんと確認・評価した上で納税している人は皆無と思います。これでは全く意味がありません。
「ふるさと納税」をする事で、在住している自治体の住民税が減ります。
当然ですが、福祉や教育といった住民サービスが低下していく訳です。これらに一切異論を唱えず受け入れるのであれば、個々人が目先の利益優先で構いませんが、大抵の人はそれらを棚に上げて文句を言います。
普通は、まず住んでいる地域の充足を考え、余裕があれば他の地域（故郷や応援したい地域）の充足を考えます。現在の「ふるさと納税」では、目先の利益の為に一部の在住の地域の税収は目減りし、サービスが不足しています。
泉佐野市を例に挙げれば、故郷でもないし、取組などから応援したい訳でも無いのに納税する人が多数います。５月位まで実施されていたアマゾンギフト券の返礼品では地域創生に何も貢献していません。これでは本末転倒もいいとこです。
総務省も、何を主体として、何を達成させるべきなのか、虻蜂取らずの現状より、まずは確実な一手を取るべきに思います。
ふるさと納税 4市町除外を発表
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=5619213
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