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2019年05月06日12:19

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ROMA ローマ(Roma)

 「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が、政治的混乱に揺れる1970年代メキシコを舞台に、とある中産階級の家庭に訪れる激動の1年を、若い家政婦の視点から描いたNetflixオリジナルのヒューマンドラマ。キュアロン監督が脚本・撮影も手がけ、自身の幼少期の体験を交えながら、心揺さぶる家族の愛の物語を美しいモノクロ映像で紡ぎ出した。70年代初頭のメキシコシティ。医者の夫アントニオと妻ソフィア、彼らの4人の子どもたちと祖母が暮らす中産階級の家で家政婦として働く若い女性クレオは、子どもたちの世話や家事に追われる日々を送っていた。そんな中、クレオは同僚の恋人の従兄弟である青年フェルミンと恋に落ちる。一方、アントニオは長期の海外出張へ行くことになり……。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、最高賞にあたる金獅子賞を受賞。第91回アカデミー賞でも作品賞を含む同年度最多タイの10部門でノミネートされ、外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞した。Netflixで18年12月14日から配信。日本では19年3月9日から劇場公開される。(映画.comより)









 netflix専用の映画がオスカーを獲得したのも驚きでしたが、その作品が遅れも取らず田舎で公開されていたのは、もっと驚き。2週間の限定公開、しかも1日1回上映だったけど(夜にもう1回やってたかも)、それでもすごいことだと思う。さっそく何をおいても見に行きました。

 ちょっと長いんですね。2時間超え。モノクロ画面。でも生粋の白黒じゃなくて、ややセピア色の”魅せる”ための演出モノクロ。映画はドキュメンタリーを見ているかの如く、淡々と日常を映していきます。

 そこそこ裕福な中流家庭。ご主人と専業主婦らしい妻、4人の子供と祖母、若い家政婦、そして普通の犬(笑)。普通の犬というのは、いかにも”血統書付き”とか”毛並みが立派”とかではなく、ウンチばかりする普通の犬ってことです。冒頭は犬のウンチを流して掃除する家政婦の姿。セリフや音楽は排除され、現実を映し続けます。夜になると、ご主人のお帰りです。しかし、ここで駐車場に目一杯の大きな車が映され、何度も入れ直す様子が描写されます。アホだ〜、いくらお金があるからって、こんなにきちきち一杯の車を毎日難儀して入れるなんて、アホだ〜と思ったのは私だけでしょうか。もうこの辺で、この家庭は「いっぱいいっぱいなんだな」と思わせるウマい描写です。そして、当のご主人と線の細そうな妻が映り、観客は今にも崩れそうな家庭の様子を肌で感じます。その中流家庭と並行して、若い家政婦の青春も描かれます。友人に紹介された彼氏候補の男性が、日本の武道(?)にかぶれている(なんで?)のが笑えるのですが、こちらでもよくある若者の残酷話が展開します。ただ、当時のメキシコは政情不安だったようで、映画の後半にはデモ隊が描かれます。

ところで、表題は「ローマ」だけれど舞台はメキシコ、メキシコに”ローマ地区”というのがあるのですね。知らなかったので、最初はどういう意味だろうと思いました。

 いろんなことが起きます。本当に残酷なことも。そういう話自体は、決して目新しいものではありませんでした。でも、大仰に映すのではなく淡々と描写することで、誰しも後戻りすることができない人生、前を向いて一生懸命生きてゆくしかない人生、みんな色んなことがあるのだから認め合うこと、許しあうこと・・・そんなことが再認識できたような気がしました。大多数の人は凡人なんだもの!

 少し長いので、疲れていないときに、netflixで。

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