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2024年05月20日18:33

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トップ・ハット(Top Hat)

  ウディ・アレンの、映画好きには応えられない佳作「カイロの紫のバラ」のラストの映画館での場面、あの哀しいヒロイン、ミア・ファローが至福の表情を浮かべて眺め入ってるのが、まさにこの作品である。“Heaven,I'm in Heaven...”の唄い出しで知られる“Cheek to Cheek”のダンスをミアは恍惚とみつめる。これ以上適切な映画による映画の批評があるだろうかと思わせる、アレンの名人芸。ま、それはともかくとして、この曲と“Isn't This A Lovely Day”をI・バーリンが本作のため書き下ろした事実だけで、本作は映画史ならぬポピュラー音楽史に永遠に刻まれる傑作なのだ。ロンドンに招かれたアメリカのダンス・スター、ジェリー(アステア)が興業主ホーレス(ルビッチ作品等でおなじみのホートン)と共に滞在中のホテルに、ヴェニスで過ごすホーレスの妻マッジから、週末に彼に紹介したい女性がある旨の連絡が入る。気をよくした彼は部屋で一踊り。これがハメを外しすぎで、下の部屋に住むアメリカ娘のデール(ロジャース)から苦情が…。そこで、ジェリーはタップを柔らかなステップに即座に変えて、彼女の機嫌を取る。翌日、公園に乗馬に赴いたデールはにわか雨に音楽堂で雨宿りをすると、馭者の格好でジェリーが“素敵な日じゃないか”と歌いかけ、そして、もちろん二人のダンス。最早、互いに心魅かれあう同士なのに、マッジの“仲人”に皆が混乱して、という展開は、この種のミュージカル・コメディの約束事。情報のすれ違いからの誤解が当然、最後には晴れやかに消滅して、カーニヴァルでのダンスで賑やかに締め括られる。楽曲も踊りも(ストーリーはともかく)アステア&ロジャース作品の中ではベスト。文句なく幸福な映画だから、アレンはああいうしんみりした引用の仕方をしたのだ。“せめて映画で幸福になってくれ”と……。(allcinemaより) 





<2024年4月13日 録画鑑賞>

 若い頃にフレッド・アステアの映画をいくつか見ました。彼のダンスに驚嘆するとともに、すごい努力家だったと後に聞いて「さすがだなぁ」と思ったのを覚えています。若かった私は「才能あったのね」くらいに思っていたのです。もちろん、才能もあったのでしょうが。

 さて、今回はフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの共演。二人の共演作は4作目だったのだそうですね。私は「パリの恋人」のオードリー・ヘップバーンがとても印象に残っているので、このへん詳しくなかったです。これから、いろいろ見たいと思います。

 フレッドの素敵なダンスは堪能できましたが、お話は最後まで誤解を引きずったドタバタコメディで、正直言って「さっさと確認しろよ」と思いましたが(笑)、それでも美しい女性に対する積極的なアタックなど、当時の男性たちの様子を楽しめました。もちろん、今も積極的な男性はたくさんいるでしょうが、やっぱり優しい人が多いと思うので、どこか新鮮な感じがしました。

 それにしても、当時のイギリス上流社会の優雅なこと。まったくもって羨ましい。一度でいいからあんな優雅な生活を経験してみたいものです。もう望み薄ですけど。
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