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2019年05月05日18:46

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運び屋(The Mule)

 巨匠クリント・イーストウッドが自身の監督作では10年ぶりに銀幕復帰を果たして主演を務め、87歳の老人がひとりで大量のコカインを運んでいたという実際の報道記事をもとに、長年にわたり麻薬の運び屋をしていた孤独な老人の姿を描いたドラマ。家族をないがしろに仕事一筋で生きてきたアール・ストーンだったが、いまは金もなく、孤独な90歳の老人になっていた。商売に失敗して自宅も差し押さえられて途方に暮れていたとき、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられたアールは、簡単な仕事だと思って依頼を引き受けたが、実はその仕事は、メキシコの麻薬カルテルの「運び屋」だった。脚本は「グラン・トリノ」のニック・シェンク。イーストウッドは「人生の特等席」以来6年ぶり、自身の監督作では「グラン・トリノ」以来10年ぶりに俳優として出演も果たした。共演は、アールを追い込んでいく麻薬捜査官役で「アメリカン・スナイパー」のブラッドリー・クーパーのほか、ローレンス・フィッシュバーン、アンディ・ガルシアら実力派が集結。イーストウッドの実娘アリソン・イーストウッドも出演している。(映画.comより)









 御大、やってくれましたね。もう主演は無理かと思っていただけに、驚きとともにその健在ぶりを再確認した次第です。さすがです。

 クリントは成功した園芸家。新種のユリの栽培に成功し、財を成したはずなのに、今は財産差し押さえの憂き目にあっている老人です。家庭を顧みず生きてきたので、家族にも見放され、帰る場所もありません。老人になった現在でも女性たちにたたく軽口からすると、きっと女たらし?遊び人?だったのでしょうね。そんなこともあって、家族に見放されているのかもしれません。そんな彼は、園芸一筋だったからか、交通違反で捕まったことは一度もなかったのです。何かの拍子にそう言った彼は、その筋の男たちに目を付けられ、仕事に誘われます。「車で走るだけで稼げる仕事をやらないか」と。彼らにとっては、警察から睨まれにくい”交通違反のない年寄り”なんて、願ったりかなったりです。お金に困っていたクリントは、「そんな簡単な仕事なら」と引き受けます。

 もちろん、最初はもらったお金の大きさにビビります。でも、ビビッてる暇はなかったのです。現場からはとにかくさっさと離れる、きつくそう言われていました。すると間髪を入れず次の仕事が入ります。そんなこんなで、儲けもいいし、なんとなく肌で”危険”とわかっていても、また荷物が何かを見てしまった後でも、もう抜けることはできなかったのです。

 そのうち車もカッコいいやつに新調し、仕事を持ってくる若い連中にも慕われるようになった彼は、やっぱり年寄りが持つ独特の魅力(落ち着きだったり、含蓄深い言葉だったり)で、どんどん気に入られ、ドン(アンディ・ガルシア)にも一目置かれたりします。そんな彼を妬む輩も出てくるから話がややこしいのですが、とにかくブラッドリー・クーパー演じる麻薬取締官にもなんなく見逃されるほど飄々と、自分流に生きてゆくのです。

 なかなかにおもしろかったですねぇ。確かに、90歳に近いような老人に対しては警戒心が緩みますよね。これは自分も「小さくて中年なおばさん」なのでなんとなくわかるような気がします。おばさんを嫌う輩はいても、警戒する人はほとんどいないのです。無能だと思われているだけなのかもしれませんが、悪いことし放題だな、と思う瞬間が結構あったりします(笑)。

 実話らしいです。クリント・イーストウッドは実話が好きですね。頭をフル回転させなくても見れるので、気が向いたときにお勧めです。個人的には「頑固者」という意味の原題「the mule」が、あの履物のミュールと同じ単語だというところがウケました。関係ないことをすみません。

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