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2019年04月05日12:36

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ギーター 6(揺るぎなき叡智)


<6>揺るぎなき叡智
★ギーター/2-55
(長谷川訳)
アルジュナよ。人は自分の心にある、すべての欲望を放棄し、そして、自ら自分自身に、、内心から満足しているなら、彼は揺るぎなき叡智の人と言われる。
(田中訳)
アルジュナよ。さまざまな感覚の欲望をことごとく捨て去って、自己の本性に満足して泰然たる人を、純粋超越意識の人(仏教の般若、智慧、大智の人、さとりを開いた人)とよぶ。
(向井田)
クリシュナは答えました。
心にあれこれと浮かんできては人は放さず、いずれ執着となる欲望を追いかけることをやめたとき、人は自分自身の真実を知る。『ア−トマン(真我、真実)』が自分の本質であるということを。
真実の知識は人の根本にある恐れをとりのぞき、自分に対する不安を打ち壊す。人は心から自分自身に満ち足りることで何かを得ようとする欲求に駆り立てられることから解放さっれる。
アルジュナよ。知識を確立し、自由である自分の本質に喜ぶ人を賢者という。

★ギーター/2-56
(長谷川訳)
苦難に意気消沈せず、好事を追い求めない人、そして、愛欲、恐れと怒りを捨てた人は、揺るぎなき叡智を備えた聖者と言われる。
(田中訳)
三重の逆境(1-自然界からくる天災、気候。2-人間を含めた他の生物からくるもの。3-自分の肉体に関するもの)に処して心を乱さず、順境にあっても決して心おごらず、執着と恐れと怒りを捨てた人を、不動の聖者(ムニ)とよぶ。
(向井田)
賢者は不快なことや痛み、苦しみを感じはするが、それに引きずられることがない。喜びや心地よい快楽も感じはするが、それを渇望することも、欲しがることもない。
むやみな切望や拒絶、恐れから自由であり、ありのままである真実の自分こそが幸せの源であるということを知る。それ故、自分以外の物事や状況に心を揺らすことがない。

★ギーター/2-57
何事にも執着せず、そして良きことも、悪しきことに出会おうとも、それらを喜びもしなければ、それらを悩みもしない。そのような人の叡智は揺るがない。
(田中訳)
善を見て愛慕せず、悪を見て嫌悪せず、好悪の感情を超えた人は、完全な知識(=プラジニャー。仏教でいう般若の智慧)を得たのである。
(向井田)
その人は物事に引きずられることなく、。狂喜に我を忘れることなく、悲しみや苦しみを憎まない。何が真実で何が真実でないかを知る彼を、どんなものも影響することはできない。

★ギーター/2-60
(長谷川訳)
アルジュナよ。感覚器官は大層手強いぞ。それにそれらの統御に苦しんでいる、学者の心さえも強引に外に連れ出すのだ。
(田中訳)
アルジュナよ。感覚の欲求は、まことに強く、烈しいもので、修行を積んで道をわきまえた人の、心をさえも力ずくで奪い去るのだ。
(向井田)
アルジュナよ。自分の望む者を見極め、そのために知識を得ようと努力している人の心ですら、揺さぶり、奪い取ろうとするのが感覚の喜びである。その喜びを覚えて、再び味わおうとする思いが『ラサ(味・快楽を覚えて再び得ようとする記憶)』である。

★ギーター/2-61
(長谷川訳)
修行者はヨーガによって、全ての感覚器官を制御し、私自身(神)に心を留めよ。感覚器官を統御し得た者の叡智は、揺るぎなきものとなる。
(田中訳)
肉体の感覚を制御して、意識をわたし(全一者なるわたし、つまり至上者。最高神)に合致させて、しっかりと固定できた人を、不動智を得た聖者という。
(向井田)
真実と真実でないことを見極める人は、感覚器官をコントロールし、落ち着くことができる。自分を含む世界を現わしている源を考え、瞑想することができる。感覚器官を自分の道具として意志によって自由に扱える人が、この知識を確立する。

★ギーター/2-58

(長谷川訳)
亀が自分の頭や四肢を甲羅に収めるように、人は感覚器官をそれらの対象から引き離せば、彼の叡智は揺るがない。
(田中訳)
亀が手足を甲羅に収めるように、眼耳鼻舌身(五官)の対象から、自分の感覚から引き払うことのできる人は、完全智(プラジニャー)に安定したと言える。
(向井田)
賢い人は、自分が求めているのは完全な自由であることを知り、簡単に感覚を喜ばせたりする物や状況に弄ばれることがない。
亀が甲羅に目・耳・口・手・足を自分の意思で引っ込められるように、自分の感覚器官を意志によってコントロールできる。
感覚を喜ばせる物や、感覚器官そのものは人を悩ませたり、惑わせたりしない。人を惑わすのは、人の心だ。心が単なる物や情報を “それを得たい! 避けたい!” という欲求や願望に変え、執着に変えてしまう。
賢者の心は、自分の感覚器官の伝えることを、そのままに楽しむことができる。彼の知識
と落ち着きは、感覚と心の間に適切な距離を置くことができる。
彼の心に問題がないから、彼は自分を正しく律し、楽しむことができるのだ。そのような人が、知識を確立した賢者と呼ばれる。

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