mixiユーザー(id:372432)

2019年03月28日16:30

173 view

ハラリ

よく行くラーメン屋の店長さんから、「お客さんからもらったけど面白かったです」と『ホモ・デウス』という本を借りて読みました。

ユヴァル・ノア・ハラリというユダヤ人の歴史学者が書いた人間とは何か?未来はどうなるかな?という本で、ほんとに面白いんかいな、と半信半疑で読んだけど、いや、面白かった。

書いてある内容は哲学や科学、SFに興味がある人なら知ってる事柄が多いのですが、その知識があまねき為、相互の関連付けが凄い。

※以下、内容(一部)の要約↓

我らホモ・サピエンスが大繁栄したのはなぜか?他の動物より頭が良いから。それだけではない。実は滅んだネアンデルタール人の方が脳が大きい。
ホモ・サピエンスが他の生き物より上手く協力できるからだ。ホモ・サピエンスだけが虚構を作れる動物だから。
神も国も企業も貨幣も会社も、統一された自己というものも人の想像の中にしか存在しない。客観的現実ではない。現実とは何だ、と時々省みないと虚構の為だけに生きることになってしまう。
しかし、ホモ・サピエンスが繁栄できたのはこの虚構の力のお陰だ。

宗教とは神を信じることではない。
人間の法律や規範や価値観に超人間的な正統性を与える網羅的な物語なら、その全てが宗教だ。
この定義に沿うと、儒教も共産主義もナチズムも国家主義も、わたしたち現代人の多くが信じる自由主義、民主主義も宗教だ。

人間が狩猟採集生活を営んでいたときは、人と動物は等しい存在だった。農業改革が起こると神と人間の関係が重要になり、動物は消えた。科学革命が起きると神が消えて、人間の一人舞台となった。その方が効率よく協力できるからだ。

生き物とはアルゴリズム(問題を解く為の算法)であり、生命はデータ処理ではないか?
であれば、生き物や生命が有機物である必然は無い。人間は現在、インターネットのデータフロー上の点になりつつある。
一部の裕福な人間はサイボーグ技術、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーの力で自分をバージョンアップするだろう。しかし、それでもデータ処理の速度でAIには適わない。AIが管理し自己進化するサイバー空間に人間を取り込んだ方が効率が良くなる。

生き物が無機物でもいいなら、肉体を持たないサイバースペースの方がホモ・サピエンスより繁栄の可能性のある生き物になる。自立してホモ・サピエンスを凌いだサイバースペースは、ホモ・サピエンスを他の動物と同じに扱うようになるだろう。人間が家畜を扱うように。


というのがこの本の大まかな中身です。

どうやら、ホモ・サピエンスに取って代わるホモ・デウスとはバージョンアップされた人間の事ではなく、人間が作り出したコンピューターによる広大なシステムのことらしい。

SFによくあるテーマじゃないか!わたしもそう思った。のですが、これといった反論も今は思い浮かばないのですよ。


4 7

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年03月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

最近の日記

もっと見る