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2019年02月15日21:42

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GDP総額でなく国民の所得水準の向上を政策の主軸にすべき

 日本は今、パラダイムシフトのただ中にある。その原因は人口減少と高齢化。常識が劇的に変化するパラダイムシフトの時代には、当たり前と思われていたものがモロくも崩れる。

 消費税の引き上げの議論でも、「社会保障の負担が重く、税率を上げなければ賄えない」という理屈をよく聞く。

「税収がこれくらいしかないから税率を上げますという理屈は、非常に次元が低いとしか言いようがありません。今の政府のやり方は、無理やり数字が合うように、適当な数字を方程式に入れて計算しているだけ。今ある材料でしか物事を考えておらず、“未来”というものが考慮に入っていません。夢のない話です。もちろん、変えようのない数字として高齢者の数があり、外国人労働者の受け入れは進めていますが、生産年齢人口の減少も簡単には変わらないでしょう。しかし、労働生産性は変えられます。日本の生産性は世界28位と低迷していますが、だからこそ伸びしろが大きいと言えます」

 生産性の向上には、イギリスなどEU圏で広く行われている“最低賃金の引き上げ”が有効だという。労働者の賃金が高くなれば、経営者は働き方の効率を考えるし、転職の増加や主婦の労働参加率も高まる。なにより消費増につながり、税収が増える。

「アメリカは経営者に高額の報酬を払うことで生産性向上の動機を与え、一方、欧州は労働者の最低賃金を引き上げることによって経営者を刺激しようとしています。最低賃金を引き上げている国にはある共通の特徴があり、それは今後、人口の伸びがあまり期待できないということです。私が賃金アップを言うと、多くの経営者や経済学者は“失業者が出る”などと反対しますが、今の社長たちはリスクを取らなすぎる。安い賃金の労働者ばかりを求めるのは、いわば農園の地主と一緒で、地代で生きている人たちの発想です」

 パラダイムシフトの下では、経済政策も従来通りのGDP総額やGDP成長率の目標設定は意味をなさない。

「GDPを基準にする考え方は改め、国民の所得水準や生活水準、生産性を政策目標の中核に据えるべきです。人口減少社会についても『ITや最先端技術で対応できる』という意見もありますが、その考え自体が甘い。技術は普及しなくては存在していないのと一緒で、技術をどう普及させるかという議論から始めるべきです」

 こう強調するアトキンソンさんは、裏千家で茶名「宗真」を拝受したほど日本を愛し、復活を望んでいる。だからこそ近著のタイトルが「日本人の勝算」なのだ。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247493
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