以下、「日本国紀の副読本」より転載。
吉田
「日本国紀」を書こうと思ったのは、ケント・ギルバートさんと対談したことがきっかけです。ケントさんとの話は多岐にわたりましたが、歴史教育の話にもなりました。以前から私は日本のいわゆる中学、高校の歴史教育、あるいは歴史教科書というものにすごく不満を持っていたのです。なぜこんなに自虐的なのか、必要な歴史教育がなされてないという思いがありました。
それで対談のときに、ふとケントさんに「アメリカの歴史教育はどうなっていますか」と聞いたのです。するとケントさんが「アメリカの歴史教育は、それを学ぶと、子供たちの誰もがアメリカを好きになります。アメリカに生まれたことを誇りに思う、喜びに思う、そういう教育です。
それを聞いたとき、「なんと素晴らしいことか !」と思ったのです。その国に生まれたことを誇りに思う。そして自分たちの父祖に対して尊敬の念を持つ。私たちに誇りを持つ。そのような歴史教育であるべきだと思ったわけです。
しかし、日本にはそんな歴史教育も教科書もない。それがすごく残念だと思ったのですが、「そうか、なければ教科書のような本を自分が書いたらいいんだ」と考えたのです。
有本
「日本国紀」のコンセプトは、この本を読んだ方々が日本人として誇りを持てるものということでしたね。
百田
もちろん歴史というものは、どの国にもいいところもあれば、悪いところもあります。アメリカにも非常に暗い歴史はたくさんある。黒人を奴隷にしたり、アメリカインディアンを虐殺したりという歴史もありますね。
ただし、大事なことは、何も知らない無垢な子供たちに、そいう負の歴史を真っ先に教える必要はないということです。そういうことは、子供たちが成長し、基礎的な教育を受けて、様々な知識を得て、物事を多面的にみられるようになった上で、教えればいいのです。本来、無垢な子供たちに教えるべきなのは、まず「この国に生まれてよかった」ということだと思います。
ただ、先ほど述べたように、日本人が誇りを持てる、日本に生まれたことに喜びを感じられるような「通史」がなぜないのかと考えたとき、自分なりのやり方で困難に挑んでみようと思った。
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