松下電器(現パナソニック)の創業者である松下幸之助さんがトイレ掃除の大切さを教えられたお話です。
戦前、後藤清一氏(元三洋電機の相談役)が、松下電器の工場長をしていた時のことです。その工場は年末の大掃除をしていました。
ところが便所の掃除だけは、誰もが嫌がるので、便所掃除を省略して、松下幸之助社長に
「もう全部掃除を終わりました。これで帰ります」と言いましたところ、
「あ、そうか。それはごくろうさん。ほな、いっぺん見せてもらうわ」ということになって、ひとわたり工場を見て、便所を開けたところ、そこだけ掃除をしていないことがバレてしまったのです。
「ここ掃除していないやないか」と言って、松下社長自ら鉄板を持ってきて、こびりついた汚物をゴシゴシこそげながら、自分で掃除をし始めたのです。
そこで後藤氏もあわてて手伝います。もうみんな帰ってしまった後だったので、二人で一緒に掃除をしました。
その時、松下社長は次のように言われたのです。
「後藤君なあ、便所は大切にせないかんで。誰の家でも、応接間や客間というものは、花を生けたりして、きれいにしとる。ところが、その主人なり、そこの家族は、その応接間や客間に入るのは少ないんや。しかし、いやがおうでも、便所は日に3回か4回はいかなきゃいけない。風呂は1日1回。一番大事なのは便所やで。それをこないしているとはどういうことや」
ログインしてコメントを確認・投稿する