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2018年12月30日11:25

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師走30句

師走30句です。
物故者の多き同期や賀状出す
ボロ市や古着の下の眠り猫
父の座の無き小正月烏賊のぼり
父の座の無き歓談や小正月
小正月明けて寂しき枝の凧
朝潮の煙の果てや男女岩
冷たさや白泉好む黒眼鏡
冬蜘蛛や直ぐ数えたき足の節
海行かば海に夜が来ぬ夏の暮
山行かば齢めでたし春木山
寒卵春の序曲のごとく見ゆ
なほ昭和朝に時雨れる大試験
平成の残り香清か初衣装
平成の白雨故郷の田畑に
野分来て居残る爺や陸奥の海
陸奥の国礼砲受けし雪の中
怨み言つらなり溜る古暦
如月の謡の中の嬰哀し
如月の瀬音を聴きしいる捨鵜
落陽に凛々として老鵜たる
落陽の母の手蛇の雑魚寝かな
冬の蜘蛛第二ボタンは白かりや
湯に浸り唄に寝し児よ大根煮
斑なる霜道郵便配達夫
なほ昭和残る海士小屋古暦
春潮や艦旗揺らめく陸奥の影
春宮古織りなす地異の波頭
東風騒ぐ浄土ヶ浜の逃げる海士
東端の堤防の果て暮るる春
古暦残る海女小屋男女岩
郵便車過ぐる斑なる霜の道
重ね着の老父ふわりと寝椅子立つ
海行かば悼みし膳の寒卵
霧笛鳴る潮へ消へゆく犬の影
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