下記は、2018.12.16 付の【花田紀凱の週刊誌ウオッチング】〈699〉です。
記
『週刊文春』(12月20日号)のトップは「独占手記 森友スクープ記者はなぜNHKを辞めたか」。
一見、スクープだが、よく読むと、実は文芸春秋から最近出版された本のパブリシティーだった。
NHK大阪放送局の司法キャップだった相沢冬樹氏が、8月にNHKを退職した。理由は森友学園に関する自らのスクープが〈安倍官邸中枢に太いパイプがある〉小池英夫報道局長の意向でトーンダウンして放送され、あげく考査部への異動を命じられたからだという。
相沢氏のスクープは2つ。
(1)近畿財務局が、売却前に学園がいくらまで出せるかを聞き出している。
(2)「トラック何千台もゴミを搬出したことにしてほしい」と財務省が学園側に口裏合わせを求めていた。
しかし、(1)に関していうと、あの土地はゴミが埋まっているなどの理由で近畿財務局としては一刻も早く売りたがっていたという事実が記事からはスッポリ抜け落ちているのはなぜか。
NHK側はむろん全面否定で、〈「報道局長の意向で報道内容を恣意(しい)的に歪(ゆが)めた事実はありません」〉。
相沢氏の本を読んでみなければ、軽々に判断はできないが、いずれにしろ「森友はもう終わった」感は否めない。
『週刊新潮』(12月20日号)、こちらのトップは「『2月までに結論を』破談を急ぐ『美智子さま』ご決断の刻限」。「宮内庁関係者」や、「宮内庁幹部」「御所の事情に通じる関係者」がむろん匿名で「美智子さまのお言葉」とやらをあれこれ紹介。
たとえば、
〈あのようなことは、決して許すことができません〉
〈眞子に、小室さんは本当のことを話していなかった〉
〈大きな問題が生じているのに、小室さんは納得のいく説明をしないまま、留学してしまった。それも、眞子を利用する形でなされたことが最も問題〉
真偽は確認しようもない。
この件、もう静かに見守っていればいいのでは。
(花田紀凱=月刊『Hanada』編集長)
https://www.sankei.com/premium/news/181216/prm1812160008-n1.html
ログインしてコメントを確認・投稿する