（再）ふと思うのだが　シリーズその16

無骨で全然気が利かないのに、憎まれるどころか、
かえって好かれている人物って、あなたの周りに
いるじゃないですか。


敷島課長「失礼します！お早うございます！
社長！例の書類をお持ちしました！
おい！山田、例のものをお渡ししろ。」


山田平社員「んあぁ。あ。ええと、あの、これ。」


鴨下社長に片手でヒョイと手渡す。


鴨下社長「おお！君が先月から来た山田君か！
いい体しとるな。出身はどこだ？そうか。
ゴルフはやるか？そうか。今度連れてったろ。」


山田「あ、いや、別に。」


野沢部長「お！山田、社長室行ってきたか！
よしよし、いいぞいいぞ、お疲れお疲れ。
まあ座れ座れ。うんよしよし。うん。
おまえは、いるだけでいいんだ。ははははは！
今晩呑みに連れてったろ。」


山田「え、いや、なんか、おれ、いいや、んな。」




っていう、山田みたいな奴。

これこそ、天然キャラなんだよね。

『ぶりっ子お間抜け不思議っ娘』なんかよりね。

ちょっと、羨ましくもあるね。

俺みたいなのが山田の真似して、




「はい！　それオッケー！」




では、済まされないからね。




「山田は、それでいいんだ。」




みんなを、そう感じさせている山田。

生まれつき無骨で無愛想なのに、

みんなに好かれるオーラ、出まくっている山田。




そんな山田になりたい訳ではないが、

そんな山田が、少し、羨ましい。



（2013年01月19日より再掲載）



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