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2018年12月08日05:20

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しずかな日々

 椰月 美智子の「しずかな日々」は、姉がだいぶ前に送って来た。そのとき姉が、「現代人でもこんなの書く人がいるんだと思った」というようなことをいっていて、私も読んでみて、そのやさしいはなしがすごくいいと思った。

 久しぶりにもう一度それを読んでみたくなったのは、我が子たちの年齢のせいだと思う。日本でいえば来年度小学校4年生になる。

 読んでみて、やっぱり近いなと思う。世界中の子供は、このくらいの年齢のとき、こんなふうなんだろう。

 うちの二人の、日本語を聞いたりはなしたりする能力は、フランス語のそれとあまり変わらない。どちらもそんなに長けてもいないが、日常的に困ることはほとんどない。ただ、バイリンガルの弱みか、言語能力自体が全体的によわい(浅くひろい感じ)ので、能力の底上げをしたいと思っている。ちょっと複雑な出来事の説明は、日本語でさせてもフランス語でさせても、いいたいことに言語能力がついていっていない。
 それで日本語アトリエの先生にいわれて、説明文の本読みや表現の練習と平行して、物語の読み聞かせをするように心がけている。物語は、日本語で9歳の彼らに興味が持てるような内容の書かれたものは、彼らの読解能力を超えているので、自力でよめと言ってもなかなか読んでくれない。
 「そういうときは、諦めて親が読んでやれ」という先生の意見を聞き入れて、私はここのところ、夜寝る前の本読みを復活させた。
 大使館でもらってくる日本の教科書の、国語に載っているはなしを片っ端から読んだ。子どもたちはかなり興味を持って聞く。でも最近、国語はどの学年も読みつくしてしまった。子ども向けの童話のようなものはいくつかうちにあるけど、内容がそろそろ彼らには幼稚なようで、読もうかというと、「いやだ〜」と言われてしまう。いろいろ試した挙句、自分が読み返し中の「しずかな日々」を試しに読んでみた。

 ながい文章や、普段の生活でつかわない熟語がおおいので、最初私は「苦手ってしってる?」とか「ここの意味分かった?」とか何度も止めて二人に質問した。
 藤吾さんが「もう、お母さん、分かるよ〜止めないで読んでよ。」という。問い正すと、けっこう分かっている。どこで覚えるんだろう。テレビかな?
 それに、「藤吾さん、このおじいさん好きよ。」とか感想を述べたり、「えだいち!」とおもしろがったり、初めてバットでファウルを打つシーンにどきどきしたり、しているようだ。かなり共感できるようで、寝る前に「えだいちの続き読むよ。」と言って嫌がれることはまずない。
 区切ってある一節ずつ読むけど、もっと読んで!といわれることもおおい。

 これくらいのレベルなんだなーと思う。「トムソーヤーの冒険」は訳文が難しすぎたし、モンゴメリも同じく。アニメで「ポリアンナ物語」になっていた「少女パレアナ」「不思議の国のアリス」なんかは、いけそうかなと思う。
 名作児童文学をちょっと見直してみよう。
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