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2018年11月25日12:29

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料理の特徴はその国の言葉に現れるんじゃないだろうか

料理の特徴はその国の言葉に現れるんじゃないだろうか

言葉は文化そのものだ。言葉はそのことを様々に言い表す、言い方が異なるという事は人々がそれを区別しているという事だ。
♪『津軽には七つの雪が降るとか こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪 みず雪 かた雪 春待つ氷雪』というのは歌謡曲の詩だ。
宮岡伯人の『エスキモー極北の文化誌』ではカナダ・エスキモーの雪を指す語を「語幹として20種強」とあるようだ。

料理でも、同じような調理法でも微妙に呼び方が異なる。これは、その状態を厳密に区別しようとする意図の表れだと思う。言葉っていうのはそういうものだと思っている。
そういう点で、言葉を集めてみると次のような特徴があるんじゃないのかと推測する。
ちょいと荒っぽい話だけど、そんなことを視点に言葉を集めてみた。

・英語圏 肉の焼き方(肉を焼いて食べる調理法)
・フランス語 食材の煮方(ストーブ脇に鍋を置いてコトコト煮込む調理法)
・中華圏 食材の炒め方(かまどの強い熱で一気に炒める調理法)
・日本語 切る事と煮る事(割烹という字は、切る事と煮る事という意味)

加熱するときの燃料でも調理は影響を受けるんだと思う。フランスは寒いから暖炉を使う。この暖炉の熱を利用して食材をコトコトに混む料理が基本的は調理法となって、そこからバリエーションが広がった。対して、中華料理では、ワラのような強い火力が燃え上がるような燃料が多かったんじゃないだろうか。だから、炒める調理方法のバリエーションが広がった。
対して日本料理は面取りをして煮込む、飾り切りして皿に出す。どちらかといえば生の食材を活かすような調理方法じゃないだろうか。加熱するバリエーションを増やす代わりに、切り方のバリエーションを広げる事で見て美しい一皿を完成させたんじゃないだろうか?
各国語の調理を表す言葉を集めてみた。

・肉の焼き方(英語)
 ロー(raw)まったくの生状態
 ブルー(blue)ほぼ生、数秒焼いただけ
 ブルーレア(blue rare)肉の表面を数十秒ずつ焼いただけ
       色的にはかなり赤い
 レア(rare)表面は焼けているが中は生の状態
 ミディアムレア(medium rare)レアよりは焼けているが、
         中心がやや生の状態
 ミディアム(medium)完全に火が通っているものの、
       中はピンク色
 ウェル(well)しっかり焼けているがジューシーさ
     ギリギリの焼き加減
 ウェルダン(well done)肉汁がまったく出ない焼き加減、
        肉の弾力はない
 ベリーウェルダン(berry well done)ちょっと表面が
          焦げていることもある固焼き

・煮込み方(フランス語)
 エテュヴェ 主に野菜に用いられ蓋をして直火またはオーブンで加熱する
 グラッセ 料理やお菓子の表面にツヤや滑らかさを出す事冷やし固める事
 コンフィ 漬け込んだの意果物をワインや砂糖で煮込み、
 その煮汁に漬け込んだもの
 コンポート 果物をワインやシロップで煮込んだもの
  野菜や家禽・野禽などを柔らかく煮込んだもの含む
 ナヴァラン 羊肉の煮込み料理のこと
 ブランケット 白身の肉を煮込んで小麦粉や生クリームで白く仕上げる
 フリカッセ 原則的には家禽や仔牛肉などの白身の肉を小麦粉や
  生クリームを使って白く仕上げる 魚、甲殻類でも使われる
 ブレゼ 素材がかぶる程度の出汁や水、酒類を加えて蓋をして
  オーブンで時間をかけて加熱する
 ミジョテ コトコトと弱火で長時間煮込む事、フランスの家庭料理の原点
 ラグー ミジョテ によって作られたミートソース

・中華料理(中国語)
 油系
  炒(チャオ)油の量が少なめで炒める、中華料理の基準の1つ
   短時間で火を通す
  爆(バオ)「炒」よりもさらに強熱火で一気に炒める
  炸(ジャ)揚げ物の調理法、火を均一に通し、むらなく
   揚げるために材料は大きさや形を揃えて切る
  煎(ジェン)両面をよく焼く
  燴(ホゥイ)あんかけとろみをつけて仕上げる
 水系
  煮(ジュ)煮る
  燉(ドゥン)(とろ火で)煮込む、煮詰める
  烹(ポウン)揚げた材料をさっと煮る
  燜(メゥン)揚げたりした材料を煮込む
  汆(ツゥアン)さっと茹でる湯通し
  蒸(ジョン)蒸す蒸気を通すふかす
  涮(シュアン)薄切りの材料を軽くゆでる、しゃぶしゃぶにする
 水と油混合系
  燒(シャオ)中華料理の基準の1つ
  煨(ウェイ)調味料を加え、長時間弱火で煮込む
        弱火で焼くこともある
 火系
  烤(カオ)焼き、直火で炙り焼く調理法
  燻(シュン)
  醬(ジアン)
  扒(パー)

・日本料理
 割主烹従
 調理場を「板場」、料理人や料理長を「板前」と呼び、
 切ること自体を煮炊きから独立した調理の一つとしている。
 「切る」ことを重視する姿勢は「割主烹従」と呼ばれ、
 包丁を使って「割く(切る)」ことが主で「烹る(火を使う)」事が従とされ
 食品そのものの味を重視する。また「割主烹従」から「割烹」という
 言葉も生まれて、日本料理そのものや提供する店を表すようになった

 飾り切り,剥き物(基本)
 わぎり「輪切り」
 らんぎり「乱切り」
 ささぎり「笹切り」
 ささがき「笹掻き」
 せんぎり「千切り」
 ぼうぎり「棒切り」
 へぎぎり「剝ぎ切り」
 あられぎり「霰切り」
 きっかぎり「菊花切り」
 しきしぎり「色紙切り」
 とさかぎり「鶏冠切り」
 ななめぎり「斜め切り」
 せんろっぽん「千六本」
 みじんぎり「微塵切り」
 こぐちぎり「小口切り」
 かざりぎり「飾り切り」
 かのこぎり「鹿の子切り」
 じゃばらぎり「蛇腹切り」
 はんげつぎり「半月切り」
 たんざくぎり「短冊切り」
 くしがたぎり「櫛型切り」
 じゃのめぎり「蛇の目切り」
 さいのめぎり「賽の目切り」
 いちょうぎり「公孫樹切り」
 ひょうしぎぎり「拍子木切り」
 むき方(基本)
 まるむき「丸剥き」
 きくむき「菊剥き」
 しのむき「篠剥き」
 かつらむき「桂剥き」
 ろっぽうむき「六方剥き」
 きっこうぎり「亀甲切り」
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