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2018年11月14日21:26

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タトゥー・・・

 医師免許なく客にタトゥーを入れたとして医師法違反の罪に問われ、
 一審の大阪地裁で罰金15万円の有罪判決を受けた男性彫り師の控訴審の判決公判が
 今日、大阪高裁で開かれ、一審判決を破棄し、無罪判決を言い渡しました。

 増田被告は2014年7月〜2015年3月、
 医師免許がないのに客3人にタトゥーを施したとして2015年8月に略式起訴され、
 翌月に罰金30万円の略式命令を受けましたが拒否し、
 正式裁判でタトゥーを客に施すことが
 医師法の定める「医業」に当たるかどうかが争われていました。

 一審判決は、医業とは
 「医師が行わなければ保健衛生上、危害を生ずるおそれのある行為」と基準を示し、
 タトゥーの施術は皮膚障害やアレルギー反応を起こす可能性があり、
 医学的知識や技能が必要で医師が行うべきだと結論づけました。

 弁護側は控訴審で、
 タトゥー施術は病気の治療などが目的の医療行為ではないとして
 改めて無罪を主張していました。

 一審判決の定義だけでは、理容師の顔そりやネイルアート、まつげエクステなども
 「保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為」に該当してしまうとして、
 「医療行」の要件として「医療関連性」が必要だと訴えました。
 今回の高裁判決は弁護側が主張した「医療関連性」の必要性を認めたうえで、
 タトゥーを入れる行為には医療関連性がなく、「医行為に該当しない」と結論づけました。
 タトゥー施術に必要な知識は医師に求められるほど高度・広範なものではなく、
 「限られた基本的なもので足りる」と指摘し、
 タトゥーの文化的・歴史的な価値も評価するとともに、
 医師だけしかタトゥーを入れられないとすると、事実上の禁止に近い制約となり、
 憲法に定められた「職業選択の自由を侵害するおそれがある」としました。
 更に、医師法以外に法規制がないタトゥー施術については、
 業界による自主規制や立法措置などを検討すべきであり、
 医師法で禁止することは「非現実的な対処方法」だと批判しています。

 僕は、タトゥーは好きではありません。
 「身体髪膚これを父母に受く あえて毀傷せざるは孝の始めなり」との
 孝経の言葉を信奉している訳ではないのですが、
 タトゥーを入れる人の気持ちが分かりません。
 しかし、今回の大阪高裁の判断は、極めて妥当な判決だと思います。

 3年前、彫り師が起訴された時に何で起訴するのかと驚きました。
 国は、タトゥーを全て禁止するつもりなのかと思いました。
 刺青は、人類の歴史では、比較的早期に発生した身体装飾技術です。
 『魏志倭人伝』には、「男子皆黥面文身」との記述があり、
 黥面とは顔に入れ墨を施すことであり、文身とは身体に入れ墨を施すことですから、
 かなり古くから日本でも行われて来ました。
 2年ほど前、グァムに行った時に、タトゥーを入れた人が多いのに驚きましたが、
 現代では、多くの人が入れているように思います。

 ラグビーの国際統括団体ワールドラグビーは、
 来年9月に日本で開催されるラグビーワールドカップの出場団体や選手達に
 日本ではタトゥーを隠すように指示しました。
 あるイギリスメディアでは
 「タトゥーは日本においてヤクザの象徴であり、一般的には見せてはいけない」
 あるいは「日本だとタトゥーを体に入れていると温泉に入れない」と報道しています。
 タトゥーに対して日本人は依然として否定的な人が多いようです。
 さらにテレビ局ではタトゥーを映すことに関して、
 一定の規則はないが視聴者の価値観を考慮して自主規制されているとの話もあります。
 今回の起訴は、こうした世の中の雰囲気を反映したものだったのでしょうか?
 ともかく、今回の大阪高裁の判決は、
 文化の多様性を認める社会を作って行く上で、意義のある判決だったと思います。


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