先日、ネット上の知り合いから、ある版画家の個展を教えて頂きました。
その知り合いは、水彩画を描かれていて、特に風景画を多く描かれています。
版画も風景画が多いとの事なので、行こうと思いました。
個展の会場は、宇都宮市のラジオベリーの南側にある「ギャラリーはなみち」です。
昨日、映画を観に行ったヒカリ座の近くです。
映画の後寄ろうかなとも思っていたのですが、
雨が強かったので、場所が定かではなかった事もあって、今日に延期しました。
ギャラリーの場所は分かるだろうと思って出掛けたのですが、
どうも勘違いしていたようで、少し探すのには時間が掛かりました。
昨日の雨の中でなくて良かったと思いました。
「ギャラリーはなみち」は、小さな建物でした。
一般の住宅を改装したのかも知れません。
ギャラリーに入るのに、靴を脱ぐようになっていました。
ギャラリー内に、僕と同じ位の年齢の男性がいました。
ギャラリーの方かと思ったのですが、その方が版画家の青木理さんでした。
作家ご自身の前で作品を観るのも滅多にない事ですが、
何にも言わないのも失礼かと思いました。
しかし、余りにも見当外れな事を言っても恥ずかしいですし、難しいですね。
それでも勇気を出して、油絵のようなタッチの版画ですね、と申し上げました。
そうしたら、以前は油絵をやっていたのだけど、
油絵は絵の具を塗り重ねるため重たくなるので、版画にしてみたとの事でした。
色彩も豊かでしたが、
基本は8色なのだけれど重ねると30色以上に出来るとおっしゃっていました。
3階にも作品があるので、どうぞと言われ、3階に上がりました。
わざわざコーヒーも淹れてくれましたので、御馳走になりながら話して来ました。
この個展を教えて下さった方のお名前を出して来た経緯を説明しました。
青木さんは宇都宮市美術館の設立準備の段階から携わって来られたとの事だったので、
美術館の初代館長に就任予定で、設立準備を進めながら、
開館前に亡くなった高見堅志郎の名前を出してみました。
そうしたら驚かれたので、僕が存じ上げている訳ではなくて、
同居人が大学で教わっていたと話をし、
開館前に亡くなられて残念がっていた話をしました。
高見堅志郎は、美術評論家で武蔵野美術大学の教授などをしていました。
ドイツの美術学校であったバウハウスに関する造詣が深く、
宇都宮市美術館は、バウハウスに関係する作品や、
バウハウスで教えていたカンディンスキーの作品などのコレクションが充実しています。
先日行った篠山紀信の「写真力」でも、
常設展にカンディンスキーなどの作品が出ていました。
思わぬ所で、高見堅志郎の名前が出て、同居人の話も出来て、
とても良いひと時を過ごす事が出来ました。
青木さんの作品は、宇都宮市の桜の名所や東京の新橋や上野、横浜、京都、
川越の鰻屋の風景などの外、パリの街の風景画が何点かあり、
それぞれが味わい深くて、とても良かったです。
特にパリの風景は、同居人と一緒に歩いた事などを思い出させてくれました。
知り合いに教えて頂かなければ、絶対に行かなかったと思います。
とても有難いと思いました。
ログインしてコメントを確認・投稿する