記憶が劣化する前に日記にしておこうと思う。
信じる、信じないは皆さんの自由って事で。
1998年の春先か秋口だったように記憶している。
まだインターネットがメジャーになる前の頃である。当然私も当時はパソコンというものは持っていなかったし、ネット回線の規格がISDNがすごいといわれていた頃だ。
しかも時間制限があって契約した時間を過ぎるととんでもない金額を請求されていた時代だ。
当時ヤマハのバイクのとあるオーナーズクラブに加入していた私は、年に1回袋井で行われるオーナーズミーティングに参加することをとても楽しみにしていた。
このころは皮ツナギを着用していればヤマハのテストコースを全開で走ることができるという珍しいイベントであったのだが、その前に箱根ミーティングというのが企画されていて、オーナーズクラブの面々とヤマハの開発の方たちと色々語り合おうというクラブ員だけの特権みたいなものがあった。
当時は信用という名のもとに手紙や往復はがきなどのやり取りがまだ主流の時代、関東メンバーがほとんどの中、物珍しさが際立っていた当時の私は関西エリアからただ一人参加したのを覚えている。
箱根の大観山ドライブインで13時に集合だったので、早朝に出て、6時間高速に乗って着いたのを覚えている。
そこにはオーナーズクラブのメンバーとヤマハの開発(テストライダーなど)の方と商品企画の人が来ていて、来た人に対してビデオカメラを回しながらインタビュー形式で回答していくというものだった。
わかりやすく言うとAVの素人企画見たいなシチュエーションと思っていただけるとわかりやすいかな(笑)。
色々な質問があって、その中で、
「今乗っているバイクが飽きたり、壊れたりして次に買い替えたいバイクは何ですか?」
という質問に対して、
「BMWの1100RSです」
と答えた。
一瞬、周りがどよめいて「なんでBMW?」と聞かれたので、
「あれ多分比較車両で乗られているとは思うんですが、高速時のスタビリティが段違いに違うんですよね、僕らみたいな素人が乗ってもわかるぐらいに。同じぐスクリーンが手動で高さを可動できるのも良いですよね、高さを最大まで上げると風を全く感じない。不安がなくなるということはああいう事を言うんですね」
あるメンバーは、
「ツーリングによく行くのですが、荷物を固定するのに後ろの席に置くのが面倒でパニアケースとかを標準でつけることができるモデルが欲しいですね、個人的には。日本車にはないですよね?後はシャフトドライブ。チェーン駆動だと距離を走行すると必ずどこかでチェーンに注油しなければならない。ということは余分に荷物が増えることになるからそれが面倒だ、そういうことを考えるとBMWは良いと思います」
この当時のメンバーはカスタムかツーリングをメインに使うメンバーが多かったのでそういう意見が結構あったのだ。
ほどなくして2001年、FJR1300が発売された。
パニアケースが標準、シャフトドライブ、電動で動くスクリーン(手動スクリーンは当時のBMWの特許だったので同じ機構は採用できなかったらしい)、スタビリティは・・・知らない。
色んな顧客調査を行って商品企画をして、開発して発売されたのだと思う。
その中で当時オーナーズクラブのメンバーの意見も少なからず参考になったのは間違いないだろう。
この時開発の方はヤマハからレンタルされたYZF−R1とYZF100Rサンダーエースをそれぞれ乗っておられた。
この2台が翌日伝説を作るとはこの時は誰も予想していなかった。
嘘のような本当の話。
信じる、信じないは、あなた次第。
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