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2018年09月27日00:01

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非日常

■相撲協会が否定の反論文書公表 貴乃花親方の強要主張に
(朝日新聞デジタル - 09月26日 20:43)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5305945

私のような好角家は、場外乱闘にはさほど興味がなく、相撲そのものを楽しみにしている。
今場所誰が調子良いとか、若手は誰が台頭してきただとか、この力士は大関にあがれるくらいの素質があるだとか、ベテラン力士は今場所も幕内に残れるかとかとか。
あれだけの大男たちが、土俵で全力でぶつかり合うわけだ。しかもその世界は、伝統に守られた閉鎖的で特殊な世界。その裏には荒っぽいことなんかあるに決まっているし、そういうことも全て切り抜けてきた力士が上にあがっていくもんだと思う。
貴乃花は、誰もが認める平成の大横綱。今更いう必要すらない。
だが、その出自は、角界にとってかなり特殊なものではないか?
先代貴乃花と藤田憲子の息子であり、兄の若乃花と実の兄弟で力士であり、戦後を代表する大関・先代若乃花の甥であり、とにかく血統がよく、子供の頃からマスコミに取り上げられてきた。
だが血統だけでは横綱にはなれまい。若貴兄弟ともに横綱にまで駆け上がったのは、並の力士以上の稽古に裏づけされている。それこそ血を吐くほどの努力でのし上がってきた。
また、相撲一家であり角界を代表する力士であることに人一倍責任感の強い貴乃花は、相撲の取り口も横綱らしい堂々たるもので、稀代の横綱といえよう。
まあ、僕は、現役時代から貴乃花は好きではなかったが、いろいろと問題も多かった人でもある。宮沢りえとの婚約騒動だとか、家族・兄弟とのお家騒動、胡散臭い整体師に洗脳されているなんていうのもあった。
どうもこう、その一時代前の千代の富士のかっこよさと比べると、イマイチ好きになりきれない。
ただ、信念を頑として曲げないところは、親方になってからも変わらず、というかむしろ強くなっていて、貴乃花の正義感は、旧態依然の理不尽きわまりない体質の相撲協会に対して、許容せざるものだったのだろう。あの態度の潔さは、私のような芯の弱い人間は見習うべきであろう。

もちろん貴乃花の革命により、慌てふためいて途端に異端排除する相撲協会は、反吐が出るほど嫌な組織だなーと思うし、日馬富士の貴の岩暴行事件にしても、よくぞ隠蔽せずに真っ向から戦ったと思う。その態度は立派というか立派すぎる。
ただ・・・
世の中すべて貴乃花のような綺麗な正義感だけで成り立つものじゃないんだよ、というのが個人的な意見かな。
相撲は、スポーツではなくて神事であるという考え方は貴乃花も強く持っているようだが、日本の伝統の神事というのは、クリーンというものではなく、「清濁併せ持つ」ような事象を全て飲み込んでしまうというものじゃないのか?
例えば、神職者が全員クリーンかといえば、んなことはない。どっかで金の亡者であり、例大祭だなんだっていって、庶民から金品を分捕るような輩である。
また、境内で、それこそ相撲やらプロレスやらの興行をしたりなどして、そこに興行者やテキ屋などのヤクザが絡んできたりして、もうボッタクリなほど庶民から毟り取る世界。
だが、神事の世界というのは、そういう黒い部分もあるから面白いのだしワクワクするのだ。
舞の海が言っていたのだが、「相撲はその曖昧さが魅力」。これは本当にそう思う。
例えば八百長。
八百長というと、すぐに極悪人の詐欺行為で重大犯罪のように騒ぎ立てる輩がいるが、興行を成り立たせるための「星の貸し借り」というのが、お互いの暗黙であったりするから面白い。そういうのも含めて相撲だという。
これが厳密さを要求する近代的スポーツなら、そもそも立ち会いも「呼吸が合ったら」なんてアバウトなことはせずに、号砲とかゴングでやればいい。塩を撒く行為も、土俵入りも全て無駄だから省いてしまえばいい。行司なんて不要で、土俵下に審判員を配置して、勝敗が微妙ならば全てビデオ判定でよい。
でも、そんなの相撲じゃなくて別の競技だろう。
また稽古中の暴力行為だって、相撲が既に100〜200kgの大男が全力でぶつかる競技ゆえに相撲そのものに暴力行為がはらまれているし、角界で生き残るには、親方・先輩による暴力程度、跳ね返せるくらいの根性と裁量がなけりゃダメだろう。
そもそも、彼らは命を張って、角界入りして上を目指すわけだ。稽古中の事故だって仕方ない部分はあるんじゃないか?(まあ10年前の時津風部屋の暴行致死事件は完全にアウトだが)。そういうところから生き残り這い上がってきた本当に強い者同士が、土俵上で体と体がぶつかる勝負をするから、みているほうも、その迫力に興奮する。
そういうのをマスコミをはじめとする正義面した自称「良識人」が、暴き立ててわめきすぎなんだよ。
そもそもからして、角界は非日常の、一般常識からはみ出した閉鎖的世界なんだから。
非日常の世界を、我々サラリーマン的日常のレベルで断じるのが間違いなんだって。
で、我々はその非日常をみて大いに血湧き肉踊り盛り上がるわけだろ。これぞ「神事」じゃないか!

んで貴乃花に話を戻すが、貴乃花はあまりにも純潔すぎた。
これもサラブレッドで育って、「相撲原理主義」という頑固なまでの信念を貫いた結果なのだろう。
世の中は、そんな綺麗な世界のみで成り立たない。特に、非日常の興行の1つである相撲においては、根がヤクザな世界なのである。
地方で手のつけられなかったような悪ガキが、土俵で相手を打ち負かして富と名誉を得る世界であるし、体だけはでかいが貧しくてどっかの地方でくすぶっているだけの子供が、一旗あげるために入門してくる世界でもある。
彼らは、故郷を捨てて一旗あげるためにやってくるわけだから、どんな手を使っても番付をあげようとする。
そういう境遇の力士が這い上がり成り上がってくる世界なのだから、日本人はモンゴル人力士に太刀打ちできないのは、ある意味当然ではあるな。
そういうのをひっくるめて相撲は面白い。
貴乃花の純潔さも悪くはないのだが、協会側の「余計なことしやがってコノヤロウ!」という思いもわからなくもない。
まあそれでも残念なのが、折角有望力士が育ってきている貴乃花部屋がなくなってしまうこと。貴乃花の親方としての弟子の育成も決して悪くない。優秀な親方がひとりいなくなってしまうのは残念で仕方がない。
貴景勝とか、貴の岩とか、部屋変わったらシコ名も変わるんだろうか・・
貴乃花親方、協会に関与せずに部屋だけ続けていく選択肢はなかったのかなあ。

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