僕らの夏休み２０１８ その１
例年では長期休暇の立案と予約は私が担当するのが常なのです。
だいたい、温泉宿で日本秘湯を守る会の宿を織り交ぜるのが通例です。
ところが、今年は勤め先が忙しくて、連れ合いに全面的に手配をお願いしました。
たぶん、何度か相談を受けた気もするのですが
何しろ夜明け前に出勤し、夜分に帰宅、風呂、そのままダウン。
と云う生活パターンでしたから、
その日の対応で精一杯、
夏休みの旅行に気を払う余裕なんて全くなかったのです。
夏休み初日。
昨夜の帰りが遅く、疲労困憊。昼近くまで寝ていました。
それから、週に一度の家の中の各部屋の清掃を終えると既に夕方。
ホッと息ついていると、
［妻］じゃぁ、そろそろ行きましょ。
［夫］へ？ 車で温泉宿に行くんじゃないの？
［妻］何云ってるの？夜行バスに乗るって云っていたでしょ。
このリュックサック持って。
［夫］は？！
向かった先は新宿。
20:40発の夜行バス。
エトワールセト号（福山・尾道・三原）に乗り込む事になった。
［夫］乗車券には「おみち」って書いてあるけど、これ何処？
［妻］「おみち」じゃなくて「おのみち」。
夏休みの旅行の構想、計画に関して、全く協力的でなかった私の態度に
連れ合いは腑に落ちなかったようで
プイと向こうを向いた。
バス停に高速バスが入ってきた。
夜行バスと云うか、観光バスに乗ること自体久しぶりだ。
子どもの頃は遠足でエチケット袋が手放せなかったなぁ。
缶入りの佐久間ドロップを舐めて我慢したものだった。
因みに２個くらいしか入っていないチョコレート味？が好きだったが
車酔いの時は逆に駄目だった。
この高速バスは昔と比べると設備が良いな。
毛布があって、足を載せるオットマンがあるし
スリッパも備え付けてある。これはお尻のクッションかな。
珈琲サービスまである。
22:30頃 足柄サービスエリアを出ると消灯となり乗客は就寝する。
マスクをして寝る態勢を取ろうとするが、
私は186cmあるので足が伸ばせない。
あれこれ体形を変えてもマイポジションが見つからない。
結局、体育座りを横にした様な姿勢で落ち着いた。
ゴォーと云う走行音と振動、
何処かのオッサンのイビキ、
時より「ママ、トイレ」の声。。。。
バスが何処かのパーキングに停まっている。
運選手さんの交代かな。
寝ているのかどうだか判らない気怠い虚ろな状態が続く。。。。
ボスッ、ボスッ、
みなさま、おはようございます。
当バスは予定を少し遅れまして走行中です。
こんな車内放送で目が覚めた。
ハッキリ云ってお尻がとっても痛い。
足が痺れている。エコノミー症候群って奴だろうか。
川沿いの道路が渋滞している。
どうも、先日の大雨で河川の堤防が削られて
交互通行となっているらしい。
天災の跡が痛々しい。いち早い復興を祈らんばかり。
8:00 尾道に到着。
晴天。ちょっと蒸し暑いけれど。
さぁ、ここが僕らのスタート点だ。
［夫］レンタカーとか予約してあるわけ？
［妻］こっち。
連れ合いの後を着いて行くと
そこにあったのは、貸自転車屋であった。
［妻］ここで自転車を借りて、そこの渡し船で向こうの島に渡るの。
それからは、島づたいに四国まで行きます。
［夫］は？！
私は、いつだったか、GX750オーナーズクラブの宴会の場で
本州から四国をつなぐ幾つかの橋を使ったルートがあって
それはそれは景色が良かった。との話を思い出した。
確か、彼は小型スクーターをレンタルしたと云っていた。
［夫］ここから四国って何キロ離れてるの？
［妻］80kmって書いてあったかな？
［夫］80km？！ おめー、チャリンコで80kmも走れると思ってんのか？！
［妻］無理なの？ よく、アンタ、今日は300km走ったとか云ってるでしょ。
［夫］。。。。。。。（それはオートバイでの話です。）
［妻］一応、隣の隣の島に宿とってあるよ。
一瞬、頭が真っ白になりましたが、
20代、30代の夏休みと云えば、
日常と異なる見知らぬ地へのプチ冒険に挑んでいた筈で
（実は、単に貧乏な野宿をしながらバイクで走っていただけなんだが）
逆に急にワクワクしてきました。
チャリンコなんて何年ぶりかなぁ。
こう見えても、
私はバイクの免許を取るまでは
チャリダーだったのだよ。
オッシャ！やったろうじゃないの。
帰宅後に調べた事になりますが
貸自転車は此処でした
しまなみレンタサイクル
http://shimanami-cycle.or.jp/rental/
レンタル料は１日につき1,000円で、
借りた場所以外の提携箇所で乗り捨てる場合は
保証金の 1,000円が返却されないしくみの様です。
自分に合う自転車を選んで、
手続きを済ませて出発。
しまなみレンタサイクルのすぐ横に
尾道(駅前)〜向島(富浜)の渡し船があります。
旅客大人100円、手荷物自転車10円 です。
http://www.onoport.jp/sightseeing/route-f.html
自転車を押しながら
ミニフェリーに乗るなんて
これは楽しい。
料金は船上でおばちゃんが集金します。
わずか５分程度の渡し船ですが
初めて大間港から函館港へ渡った時の
1/1000くらいの感動はありましたよ。
富浜に到着し、後は自転車のみ。
行くしかありません。
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