〜第二次世界大戦で国力が疲弊したイギリスは、植民地インドを去ると決定。主権譲渡のため任命された新総督のマウントバッテン卿、その妻と娘は、首都デリーの壮麗なる総督官邸にやって来る。そこでは独立後に統一インドを望む国民会議派と、分離してパキスタンを建国したいムスリム連盟によって、連日連夜論議が闘わされた。一方、新総督のもとで働くインド人青年ジートと令嬢の秘書アーリア、互いに惹かれあう2人だが、信仰が違う上に、アーリアには幼いときに決められた婚約者がいた〜 <公式HPさんより>
この作品、私が大好きな『ベッカムに恋して』を撮られたグリンダ・チャーダ監督作だったとは!
(『ベッカムに恋して』は、そのミュージカル版もロンドンウエストエンドで観たのですが・・・こちらはちょっと無感動に終わってしまいました
)
監督の祖父母は、分離独立の際に大移動して大きな影響を受けたということで、監督は「私自身の映画を作りたい」という強い想いがあったとのこと。
では、感想ですが・・・素晴らしかったです!!!!!
スケールもすごかったし、脚本の構成が、わかりやすく、かつ、スリリングで好きでした。
マウントバッテン卿が巻き込まれてゆく南アジアの政情と、総督邸に仕えているヒンドゥー教徒ジートとムスリムのアーリアのロマンスが並行して描かれています。
若き恋人たちは、この分離独立のまさに悲劇の象徴。
分離独立に喜ぶ人たちは多かったのだろうけど、国が引き裂かれて心まで切り裂かれてしまった人々もおそらくいたのだ。
私が、一番心が動かされたのが、まさに、そのあたりの描写。
分離独立が決まって、官邸では、ありとあらゆる’モノ’が、インドとパキスタン、それぞれに分けられてゆく。
使用人たちの国籍から始まって・・・家具、カトラリー、書籍、まさにあらゆるものである。
その場面と交互に映し出されるのが、ジートとアーリアの切なき抱擁。。。
「私たち、どうなるの?」
ジーンと感動しながらも、上手いなあ!ってひとしきり感心。
あと、かなり有難かったのが、歴史のお勉強になったこと。
私、どうして、バングラデッシュはないんだっけ?って、かなりおバカな事を観賞しながら考えておりました(^-^;
あの当時、パキスタンは東西に分かれていたんですね。。。
ヒュー・ボネビルの人間味あるマウントバッテン卿もよかったけど、ジリアン・アンダーソン(『欲望という名の電車』のブランチが素晴らしかった)の妻役に、あちこちでホロリとさせられた。
「インドをもっと理解したい」っていうその愛情視点。
そして、更に嬉しかったのが、渋い脇役陣!
マイケル・ガンボン、オーム・プリ―、サイモン・キャロウ・・・渋いぃいい。
巷の感想で見つけたんですが「国境線を決める弁護士が主役の映画を観てみたい」って、まさに私もそう思いました(笑)
上映館、少ないです。でも、ほんと、おススメの力作です。観ないとモッタイナイですよ〜。
迷った挙句・・・4.5☆
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