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2018年07月25日13:12

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長辻象平 中国の「天河計画」 史上最大の人工降雨の不気味 日本の空に影響も?

 下記は、2018.7.25 付の産経ニュース【ソロモンの頭巾】です。

                        記

 中国で史上最大規模の人工降雨の実施計画が検討されている。「天河工程」というプロジェクトだ。

 慢性的な水不足に悩む中国では、第二次世界大戦後から人工降雨を続けているが、今回の計画は宇宙工学までも駆使してスケールも圧倒的なのだ。

 チベット高原方面に大量の人工降雨装置を配置して160万平方キロの範囲に雨を降らせる構想。日本の空への影響が気にかかる。

 チベット高原を舞台に

 中国メディアの情報を総合すると天河計画を検討する第1回専門家会議は2016年9月に青海省内で、17年8月には第2回会議が上海で開催されている。

 上海の会議には、宇宙開発の中国航天科技集団、青海大学、黄河水利委員会などのメンバーをはじめ、50人以上の専門家が出席しており、本格的な議論がなされたようだ。

 砂漠化などで水不足に悩む中国では、14年末に南部を流れる長江(揚子江)の水を北京などに向けて流す「南水北調」の大運河を開通させている。

 天河計画は「空中の南水北調」とも呼ばれる。インドモンスーンが運ぶ水蒸気をチベット高原で雨に変える。実行すれば最大で年間100億トンの水量確保が見込まれるということだ。

 ただし、専門家の間には慎重意見もあって、計画の検討はまだ続く。ただちに実行というわけではないらしい。以上は産経外信部の協力を得て把握できた天河計画の現状だ。

第二次大戦後から開始

 人工降雨は、雲に雨の“種”を加えることでもたらされる。

 名古屋大学宇宙地球環境研究所の村上正隆特任教授は、この研究分野の第一人者。村上さんによると、種にはヨウ化銀の微粒子と塩化ナトリウム(塩)などの吸湿性粒子−の2種類があるという。

 対象とする雲の頂上部分が氷点下15度などと十分に低いときにはヨウ化銀の微粒子が効果を発揮する。

 雲頂温度がそれより高い氷点下5〜0度の場合には吸湿性粒子が使われる。

 後者の方式の人工降雨はタイで長年、実施されている。農業国としての発展には十分な水が不可欠であるとして、プミポン前国王の主導で人工降雨への取り組みが始まったのだ。

 人工降雨の科学は第二次世界大戦直後に米国で確立され、世界に広まった。

 中国では現在3万〜4万人が、浙江省を除く本土全域で人工降雨業務に従事している。既に国家事業だ。08年の北京五輪でも直前に雨を降らせておいて開会式を晴れにした。

 標高約4500メートルのチベット高原で展開する天河計画では、低温に適したヨウ化銀が使われる。地の利を生かした組み合わせだ。

 発煙筒のような装置で燃料を燃やし、上昇気流でヨウ化銀の微粒子を雲に運んで氷晶核として作用させるのだ。

 中国大陸で大規模な人工降雨が行われると日本への影響が心配だが、「気流が日本海を渡るとき、海から十分な水蒸気が供給されるので影響はありません」と村上さんは話す。

 天河計画の影響が出るなら、中国国内らしい。


多くの国々で実施中

 人工降雨は世界の約40カ国で実施され、30カ国余りが高い関心を持っている。

 その目的は、灌漑(かんがい)用などに雨や雪を降らせる以外にも幅広い。霧消(きりけ)し、降雹(こうひょう)抑制、集中豪雨の緩和などにも使われる。

 ロシアでは主に、雹を消したり、小粒にしたりして農作物を守ることに用いられている。カナダでは雹による車やビルの被害を抑えるために保険会社が人工降雨研究のスポンサーになっているそうだ。日本も水力発電のために電力会社が熱心だった時代がある。

 国家による新たな取り組みでは、アラブ首長国連邦(UAE)が3年前から人工降雨の基礎研究と開発に力を入れている。

 村上さんは世界気象機関(WMO)の気象改変専門家チームの委員を務めるとともに、UAEのプロジェクトにも参画している。

 この村上さんにも天河計画の検討状況は、伝わってきていない。地球の屋根を舞台にしての、天意に挑む大規模プロジェクトが胎動中だ。
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 http://www.sankei.com/column/news/180725/clm1807250005-n1.html
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