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2018年07月22日22:43

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CD チャットモンチー 、 カーネーション

チャットモンチー ”誕生”
カーネーション  ”LONG TIME TRAVELLER
          〜THE VERY BEST OF CARNATION〜”


チャットモンチー
ラストアルバム、iTunesで8曲中3曲をポチりました。

2005年、ローザルクセンブルグの元ドラマー三原重夫氏が某音楽雑誌で、
”今、田舎の女子大生三人組のアルバム制作を手伝っているが、
すごい才能がある子たちだ” と褒めていて、その名を知り、
しばらくしてスペースシャワーでデビューMV ”ハナノユメ” を見ました。

”薄い紙で指を切って 赤い赤い 血が滲む
これっぽっちの刃で 痛い痛い 指の先” 

歌詞のインパクト、ボーカル橋本の高い声、シンプルだが印象に残るギターのリフ、
鼓笛隊のようなドラムを聞き、一発でこれはすごい!と思いファンに。
その後、アルバムをコンスタントに発表し、
それまでのガールズバンドとは一線を画すシンプルながらオルタナ感溢れる楽曲、
それでいて田舎の女子大生(デビューアルバムジャケ写の彼女達の垢抜けないこと)
東京に出てきた地方女子の等身大の歌詞が新鮮でした。

デビュー直後の2006年、アジカン主催のナノムゲンフェスでは、
”恋愛スピリッツ” をアカペラで歌い始め、
ほとんどアジカン目当ての客で埋め尽くされた巨大な横浜アリーナを
一瞬で、彼女たちの世界にひきづり込んだのには鳥肌が立ちました。
2008年3月には初の武道館、チケット完売したものの会社帰りにダメ元で行って
ステージ斜め上の見切り席の当日券をゲットでき、デビューからわずかの間で
ここまで成長したかと、親のような目線で感動したのを覚えてます。
(ちなみに40年近くロックを聴いてきて、デビュー直後から応援して
武道館まで行ったバンドはウルフルズとチャットモンチーのみ)

吹奏楽の打楽器上がりのユニークなドラム、そして日常を切り取った
秀逸な歌詞を書いていたドラム高橋が’11/9月に抜け、
ベース福岡がドラムとなり二人で活動をすることを選んだというのも
斬新だったし、橋本の結婚出産、その後も助っ人メンバーを入れたり、
打ち込みを多用したり、オリジナリティと大衆性を併せ持ち、
そしてデビューからずっと自然体であり続け、
日本のロック史上最高の女子バンドになった彼女たち、
ついに十三年の活動にピリオドを打つことに。

いや〜、良く頑張りました。
彼女たち自身が解散の理由をインタビュー等で言っている通り、
ほんまやり切ったって感じだと思います。
まあ、ピリオドっていうか、チャットモンチーという名前での活動を封印する
だけであって、彼女たち自身の音楽活動が終わりになることはないと思うので、
ファンとしてはそこまで悲しくはないという。
個人的には、いわゆるチャットモンチーというバンドの本質は
ドラム高橋が抜けたタイミングで一度終わったと思ったし、
ちょうどその頃は彼女たちも東京暮らしも長くなり、フェスでも引っ張りだこの
ビックバンドとなって、デビュー当時の歌詞の世界から変わりつつあった時。
まあ、そのあとは曲云々より、どういう形態でバンドを続けていくのか?
ということに興味が移って行った感じでした。

で、今回のラストアルバム、活動の集大成ではありますが、
音的にはベース福岡による打ち込みの楽曲がほとんど。
天才橋本、ロック臭さがない高橋、それに対してベタなロック体質の福岡、
前者二人の力が優っていてこそのユニークなバンドだったのですが、
高橋が去って、福岡色が相対的に強まってバンドの個性が若干弱くなったのは
否めないと個人的には思っています。(初期は福岡もいい歌詞を書いてましたが)
なので今回の打ち込みの音も、そこそこやってますが、
あまり個性がない(あくまで打ち込みの楽曲として)というか。

とはいえ、ポチった三曲、
”たったさっきから3000年までの話” は前半は彼女たちが老いた時のことが
歌われ、後半はドラムンベースに橋本のスキャットというユニークな曲、
”砂鉄” は脱退後初めて高橋が歌詞提供し、2009年に発表した”やさしさ”
という曲の歌詞、♪明日ダメでも、明後日ダメダメでも私を許して♪ が
本歌取りされていて、
”びろうど” は橋本が息子とラララ〜とデュエットしている曲で、
どれも総括にふさわしい曲。
今後のそれぞれの進化の予感、まさにアルバムタイトル”誕生” を 
感じることができました。

そんな感じで、ほんまに素晴らしいバンド、
お疲れ様でした。そして、誕生おめでとう!

”ハナノユメ” 全てはこの曲から。
https://www.youtube.com/watch?v=hWnsfIGdq0I


恋愛スピリッツ 出だしのアカペラで鳥肌、見にいった武道館でのライブ。
https://www.youtube.com/watch?v=kZGSuOlmOvY



”さらば青春” 高橋作詞曲の傑作、高校卒業前の心境が見事に綴られている。
今回の解散にもぴったり。
https://www.youtube.com/watch?v=OmZUfQWBEzc

”たったさっきから3000年までの話” 活動最後の新曲
https://www.youtube.com/channel/UCWV0x0UYu3chuOmm-DwrziQ




カーネーション

こちらは結成35周年記念、旧メンバーが参加した新曲2曲含む
2枚組全28曲のベストアルバム。

有頂天・ケラの主宰するナゴムレコードから83年にデビューし、
当初の五人組から現在は作詞作曲の直枝氏とベースの大田氏の二人組。
(直枝氏はムーンライダーズのベース鈴木弟とユニットを組んでいたり、
元ドラマー矢部氏は現在、同じくムーンライダーズ鈴木慶一氏とバンドを。
大田氏は京都産業大学軽音出身で3月に軽音先輩であるローザルクセンブルグ・ギター
玉城氏の還暦ライブに出演。奇しくもチャットもカーネーションもローザ繋がり有)

コンスタントに活動を続け、過去通算17枚のアルバムを発表、
大ヒット曲はないものの根強いファンと業界内外から高い支持を受け、
先日の日比谷野音での35周年記念ライブには元メンバー、ムーンライダーズ、
堂島孝平、ケラ、岡村靖幸、曽我部惠一、森高千里などが駆けつけ大盛況!

有頂天、ムーンライダーズ周辺にいたことから、ずっと注目していて、
アルバム発売するたびに試聴しては、ええ曲やんあるやん! と思いつつ
買わなかったのですが(99年に”ANGEL”というシングルは買った)、
今回はベストでもあり、さすがに買わなあかんやろ、ということで。

で、さすがベスト盤、ええ曲ばかりでした。
初期はXTC的なストレンジポップ、
90年代に入っていち早くヒップホップをさりげなく取り入れていたり、
時代によって旬な音をさりげなく取り入れ、
総じて言えるのは普通のコード進行やベタな美メロではないけど、
サビが耳に残るポップなロック。後、ボーカル直枝の声が色っぽい。

ポップである証拠に、89年、当時ロックも歌うアイドルとして人気絶大だった
森高千里が、ほぼ無名だった彼らの”夜の煙突” をアルバムで取り上げ、
その後ライブでも定番になったことにより、
アイドルファン、ロックファン両方の間で一気に有名になりました。
♪梯子を登る途中で 振り返ると 僕の家の明かりが見えた〜♪
このポップな歌詞とメロディ繰り返し、一度聞くと頭から離れないです。

森高千里with カーネーション  森高がアンドロイドみたい。
https://www.youtube.com/watch?v=b9ZMzQ3-ERk


カーネーション(live) こっちの方がロックっぽくてかっこいい。
https://www.youtube.com/watch?v=jG_U7KbfOiE



そして94年に発売された”EDO RIVER” 
当時、ロック界の中心であった渋谷系(今夜もブギーバックの少し後)の
対抗軸としてよくスペースシャワーでかかっていた、
ヒップホップ感あるグルービーな曲。
”東京から少し離れたところで暮らし始めて ごめんごめんごめん”
の歌詞がすごく印象的。
https://www.youtube.com/watch?v=v4JPwuzFfNM



95年 ”its beautiful day”
この曲もシンプルな歌詞、というか単語の羅列、そのセレクトのセンスが見事。
2:37からの ♪ 映画もギターもバイクもただの犬も新聞も課長さんも
いらない バイバイバイ♪
https://www.youtube.com/watch?v=0ETxM6biiYo




16年の作品 ボーカルの円熟した色気と、グルーブ感がええ感じ。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=5&v=mX1tcHNq8t0



CERO、suchmos、luckytapesあたりの洋楽邦楽ええとこ吸収して、
グルーブ感や、ちょっとおしゃれ感出してる今のシーンの音に、
多分年輪ふた回り音の引き出しと円熟味を加えた音になってるような。
(逆に今の若手が35年後も音楽を続けていたなら、結局、今のカーネーションと
同じような音を出している気がする)

ムーンライダーズよりはロックっぽく、それでいてちゃんとひねくれた感じもあり、
サブカルこじらせ中年が聞くのにぴったりな音。
この辺は先月買ったKIRINJIと同じ。
もちろん、こじらせてない中年やもっと若い世代でも素直に楽しめる
間口の広さもあります。

変に落ち着くことなく、未だにキラキラする音を作り出す彼ら、
35年目にしてきちんと聴き始めた新参者なので、
彼らの本当の良さをまだ理解できていないと思いますが、
文句なしにいいバンドやとおもいます。


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