mixiユーザー(id:1397418)

2018年06月30日14:42

319 view

ヤクルトおばさん

今の職場に、毎朝ヤクルトおばさんがやってくる。
職場の何人かは、毎朝定期的に買っているので、もはやお得意様といったところなんだろう。僕も便乗して買うようになった。
(それにしても「ヤクルトレディー」と言わなければ失礼なんだろうか?僕は「ヤクルトおばさん」のほうがしっくり来るし愛嬌を感じるのだが・・)
まあ、ヤクルトの商品なんといっても、ミルミルとかジョアとか、あと野菜ジュースとかその程度で、1本あたりせいぜい100円台なので、採算とれるのかなーなんて心配もあるが、ああ言うのを定期的に買う人がいて、ヤクルトおばさんの存在がなくならないというのが妙に嬉しい。
考えてみりゃ、今時って何でもコンビニ。老若男女みんなコンビニで飲料水でもお菓子でも好きなもの買って来て勝手に食っている時代にあって、毎朝、売れるかどうかわかんないヤクルト製品を、自転車に乗せてキコキコ配っているのがいい。
お世辞にも美人とはいえないけど、どこか愛嬌があって、真っ黒に日焼けしてたくましいヤクルトおばさんが、ちょっとしたコミュニケーションを取りながら、ヤクルト製品を売る姿。
多くの人が買ってあげて欲しいなと思う。

で、僕なりにヤクルトおばさんの存在意義について思っていることがある。
先ほども言ったとおり、ヤクルト飲料水なんてものはコンビニにも売っているし、それこそスーパーにいけば値引きして売っている。
熱心なマニアもいて毎日欠かさず飲む人もいるのかもしれないが、実際に生活の中で、ヤクルト飲料水がなきゃ困るという代物でもない。
世の中、コンビニ全盛の時代で、家や職場の半径数百メートルには必ずどっかしらのコンビニはあるだろうし、通勤の途中でコンビニが一件もないなんてことはむしろ奇跡だろうと言えるほどどこにでもある。(都内に限った話ね。田舎は知らん)
だったら、コンビニにでも立ち寄って、お茶なりコーヒーなり、毒々しいジュースなり、健康的な野菜ジュースなり、思い思い好きなものを買えば良い。たいした手間がかかるわけじゃあるまいし。
もちろん、殆どの人がそうしているだろう。どこの職場に行っても、大抵の人は朝、コンビニで買ってきた自分のお気に入りの飲料水をデスクの上に置いて飲んでいる。
それでもなお、地域限定かもしれないが、生活になくてはならないものではないヤクルトを毎朝、配達して、直接手渡しで売るヤクルトおばさんは、時代が変わっても存続し続ける理由。
恐らく、今の時代特にそうだが、独居老人の孤独死だとか児童虐待だとか、核家族化した結果、家族が密閉されて、近所の人とも関係が稀薄のために増えている事件などが、ヤクルトおばさんによって防げるという意味合いがあるのではないだろうか。
ウチも以前、長男が幼稚園にあがるくらいの時期に、ヤクルトを定期配達してもらっていたことがある。
その時担当していたヤクルトおばさんも、10代後半くらいの子持ちで、子供の相談によく乗ってもらっていたのを覚えている。
特にはじめての子供で、就園前の時期などは、親は悩みも多く、育児ノイローゼになる母親がちょっとした社会問題になっていた時期でもあった。
ウチに関しても、子供が問題児であったこともあり、子育てに悩みを抱えている時期であったが、あの頃に、気軽に雑談で子育ての相談をしたりヤクルトおばさん自身の体験を聞いたりしたことで、随分助けられた。
その時に、ハっと思ったのだ。
ひょっとして、ヤクルトおばさんがなくならない理由って、こうしてコミュニケーションを取ることで、起こりうる事件を未然に防いでいるのではないだろうか、と。
例えば、これが孤独な独居老人だったらどうだろうか。
毎朝か毎週か、定期的にヤクルト配達をして、会話を交わす。ところが、ある日、その老人が呼び鈴を鳴らしても出てこなかった、という状態が数日続いた、となれば、「何かおかしい」ということに気づくだろう。(そうなってからじゃ遅いか・・)
例えば、いつもと様子が違うだとか、会話の内容がヘンだとか、そういったところから気づいてくる。
特に小さな子供がいるウチなどは、子供にヘンな痣が増えているとかいった状況から、虐待の可能性などが察知できる。
とはいいつつ、ヤクルトおばさんの通報により救われたなんてニュースは聞いたこともないのだが、あながち間違ってもいない気がする。
ヤクルトおばさんの類似系で、保険のセールスレディというのも、そういう役割を担っているんじゃないかなと思ったこともあるが、保険は全く違う。
奴らは、単純に売上げノルマを課せられているため必死なだけで、月何万もする保険の商品を売りつけるのに躍起になっているだけである。そのため、顧客の友達でも同僚でも何でも利用するという、かなりえげつない存在である。
その点、ヤクルトは1日1本、80円〜150円くらいの金額で笑顔を届けるのが嬉しい。
なお、ウチで取っていたヤクルトなんだが、我が家の連中は別にヤクルト自体がそんなに好きだったわけじゃないため、あまり消費しなくなり、溜まっていく一方になってしまった。
そのうち、賞味期限切れのものまで発生しだしたため、「今週はいりません」という状態が続き、そのうち買わなくなってしまったのである。
そのうち、近所で顔をあわせても何となくバツが悪くなり、自然消滅していった。
ごめん、あの時のヤクルトのおばちゃん。
今、贖罪意識を持って、毎日ヤクルトしています。ついでにスワローズも。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年06月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

最近の日記

もっと見る