続きました。
◆2日目
5:00/起床⇒6:00/朝食⇒7:10/横尾山荘をチェックアウト⇒7:35/岩小屋跡⇒
8:20/本谷橋(アイゼン装着のためここで8:40まで小休止)⇒9:15/標高1950m
地点で停滞⇒10:50/下山開始⇒11:15/本谷橋(アイゼン脱着のため、ここで11:35
まで小休止)⇒12:25/横尾(標高1620m、ここで13:35までお昼休憩)⇒14:35/徳沢
(標高1562m/ここで14:55まで小休止)⇒15:40/明神(ここで15:55まで小休止)⇒
明神橋から自然探勝路へ⇒17:10/上高地バスターミナルへ帰還
【いざ、雪の涸沢へ！】
おはようございます。朝です。朝は4時くらいに目が覚めて、5時くらいまでベッドでうつらうつらしながらゴロゴロする。すると急に部屋が騒がしくなった。カーテンを開けてみると、窓の外が白い。
「ん？何？どうしたん？」
二段ベッドから降りて窓の外を見ると、辺り一面真っ白！
「ぬお？雪！雪降ってる〜！」
雪降ってるどころではない、積もっている。外から戻って来た梅さんから
「降ってるねえ、まあ昼までには止むと思うけど。積雪は7cmってとこかなあ」
「取り合えずこの状況じゃ涸沢までも無理かも知れないね。チェックアウトギリギリまで粘って、ダメならそのまま上高地に戻りましょう」
ああ、何てことだ！昨日の夜は星空が見えるくらい晴れていたじゃないか。
そんなこんなで参加メンバー全員、顔から落胆の表情が隠せない。急ぐ必要はないので朝食は一番遅い回で取る。食後、天気を見に梅さんは再び外に出る。自分も一服するため、後に続く。雪は朝起きた時よりはだいぶ小降りになっている(気がする)。しばらくすると梅さんがボソッと呟いた。
「うん、行けるな。大丈夫、もうすぐ止むよこれ。」
そそくさと部屋に戻るので後を追う。
「えっと、行きます！みんな急いで支度して！」
「ただ予定より大幅に時間押しているので、たぶん涸沢までは無理。行ける所まで行って、時間になったら引き返します。みんなそれでいい？」
おー、ゴーサインが出た。みんな急いで支度に取り掛かる。昨日と同じ装備で外に出る。7:10、当初の予定より1時間以上遅れで横尾を出発。横尾大橋を渡るとすぐに樹林帯に入るため、降雪はさほど気にならない。着雪で白くなった屏風岩を左手に見ながら、一列縦隊で歩を進める。岩屋跡を通過して登りが始まる。朝の早い時間帯なのでまだ雪が固いまま、アイゼン無しでは滑って怖いヶ所をいくつか通過して、本谷橋に到着。ここでアイゼン装着のため、ザックを下して休憩に入る。買ったまま全然使っていなかった10本爪アイゼンがいよいよ初使用。ダブルポールは石突きカバーだけ外すも、換装用に持参したスノーバスケットは付けない。全員準備が整ったところで、再度一列縦隊で本谷橋を出発。
「OG原さーん、最後尾よろしくねー！」
と先頭の梅さん。と、すぐに
「うわー、全然雪無いわ。これはまさかの夏道か？でもま、途中で沢に合流できるっしょ。」
聞くと昨年OG原さんと同時期に来た時は、本谷橋から先はもうずっと雪渓歩きだったとのこと。それが今回、スノーブリッジの至る所から川が露出しており、安全のため雪渓には入れないようロープが張ってある。本谷橋を出るとすぐに急登が始まるのは、昨年9月に来たのでよく覚えている。ちなみに昨年の様子は
こちら↓
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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1962804182&owner_id=5956264
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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1962804720&owner_id=5956264
梅さんの話では、涸沢までは雪渓歩きを想定したのでアイゼンは不要、とのことだったそう。しかしどうだ、この急斜面！自分の後ろの人はピッケル使ってるよ。日が出てだいぶ雪が緩んでいるため、前爪無しのアイゼンでもキックステップで十分登れるが、ポールを支えにして体重移動しないとかなり怖い、それくらいの急斜面だ。アイゼン無しかつ手ぶらで登っているのなんて見渡しても梅さんしかいない。
つづら折りの細いトレースを登り切ると、開けた場所に出た。時間は9時を過ぎたところ。ここで梅さんからアナウンス。
「全員で動くのはここまで。ここから先は行きたい人だけ行って！もうこんな急斜面は出てこないので。折り返し時間は10時です。10時になったらどこにいたとしても、必ず引き返してきて。時間厳守でよろしく！」
理由を聞くと、これ以上進むとアイゼン無しの梅さんが戻って来られなくなるからとのこと。帰りは今登って来た急斜面や極端に幅のせまいつづら折りのトレースをアイゼン無しで降りなくてはならず、かなり時間がかかる見込みだから、とのこと。なるほど、的確な判断だと思います。
休憩を切り上げ、O野夫妻とGOLFさんが出発した。自分も10分くらいしてから後を追う。しかし、どうしてもピッケルで遊ぶ時間が欲しかったので、9:45くらいにSガレの手前で引き返し、梅さんの所に戻ってきた。すると遅れていたHGさんとOG原さんも合流しており、ピッケル持参の3人でコースから少し外れた岩が出ている急斜面に移動する。ここでスピッツェをケインポジションやステイクポジションで雪に突き刺したり、アッズで氷を削ったりピックをハンマーの様に打ち込んでみたり、色々試してみる。柔らかい積もった雪の下には硬い氷の様な層があり、ここにピッケルが刺さった時の安定感ときたら！これか、これなんだね！独り得心してニヤニヤする。
10:45、3人が戻ってきた。10時までに涸沢まで行けたのはO野さん一人だけだったとのこと。全員揃ったところで11時、下山開始。先頭は梅さん。
「もし滑落したら通報してね」
と縁起でもないことを言い出す。
「ウソウソ、ヤバくなったらザックからピッケルはぎ取って使わせてもらうんで、よろしくねー」
と言いながらどんどん歩いて行く。少しでも谷側にスリップしたら滑落してしまうシチュエーション(落ちてどうこうではなく、落ちてこの季節の雪解け水で冷たい川に落ちてしまったら、多分ひとたまりもない)なので、ハラハラしながら後を追う。アイゼン付けてても危ない(実際途中でGOLFさんが滑落未遂。斜面から生えてる木の枝に引っかかって運良く止まった)のに、よくひょいひょいと歩けるものだ。見てるこちらの方が心臓に悪い。結果的にはさほどのプラス時間も無く、全員無事に本谷橋まで降りて来た。ここでアイゼンを外したら復路は個別行動。最終的には横尾山荘集合で自由解散となる。空は完全に晴れ上がり、美しい雪山の風景にため息が出る。特に圧倒されたのが帰りに見た屏風岩。日が当たって着雪した部分がキラキラと輝いている。「岩と雪」、まさにこの一言を具現化したような圧倒的な存在感。これはスゴイ！
横尾到着後は荷物の整理をして横尾山荘でお昼ご飯。お約束のスタミナ丼を食す。で、昨日の残ったツマミや酒も消費。上高地への復路は時間に余裕があるので、明神からは梓川を対岸に渡り自然探勝路を散策しながら上高地へ帰還。17時を回り、既に最終のバスは出てしまったので、タクシー2台に分かれて沢渡駐車場へ。ここで今日中に帰宅するHG号と、塩尻で健康ランドに泊まってから帰る梅さん号に分かれる。
※結果的には梅さん号が正解。自分たちHG号は途中、大月⇔小仏峠間の渋滞30km＆追加の事故渋滞にハマり、帰宅したのは25時過ぎになってしまった。梅さんたちは早朝塩尻を出発、渋滞皆無でみんな9時台には帰宅出来たそうです。次回からこのパターンの時は、無理して帰らずにお風呂で一泊して早朝帰るようにしよう。
ってことで、雪山デビュー未満のお話でした。持っているだけでずっと使ってなかったアイゼンも使えたし、ピッケルも取り合えずは使って目的は達成。雪山の素晴らしい景色も間近で見ることができ、目的の場所には行けなかったけど、その途中途中の体験・経験が全部素晴らしいものでした。来年のGWも機会があれば、是非再チャレンジしてみたいと思います。
■写真解説
�＿嫉鈎罎�1枚。いい天気です。手前を歩いているのが梅さん。アイゼン無しです。
��着雪した屏風岩。「岩と雪」を具現化したような圧倒的存在感にしばし立ち止まって見とれてしまいました。
�２Ｈ�に下山するとこんな感じ。朝の雪が嘘のようです。
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