馬主。一般的な生活を送っているだけではなれない資格のひとつといえる。資産や年収の要件があるので、なりたくてなれるものではないからだ。
中央競馬の馬主のうち、約８割が各競馬場の馬主協会のいずれかに加入するようだ。その中で、中山馬主協会のＨＰは他の協会と比べて気合の入り方が違う。まず、コラムを毎日更新すること（正月の１日だけ休んでいるかも）。私の日記も一時期毎日書いたことがあったが、いずれは途切れる時が来る。案外、こういう基本的なことを維持するというのは大変だが、中山馬主協会のＨＰではそれができている。そして、このＨＰは馬主だけでなく、競馬ファンも意識している。東京馬主協会のＨＰは、ファンより馬主向けに作られているように感じるので、中山馬主協会との視線の違いを感じる。
東京馬主協会のＨＰを見ると、森会長の挨拶で「当ホームページは、会員の皆様の親睦と、社会福祉への貢献を目的としていますが、それに加えて、次世代の馬主候補の皆様に、馬主を身近に感じていただくことができましたら、こんなに嬉しいことはありません。」と書いている。東京馬主協会の副会長の一人が西山茂行氏であるが、日刊スポーツやブログなどを見ると、節々に金持ちの傲慢さを感じるところがあり、一層、東京馬主協会の敷居の高さを感じる（協会側も馬主の候補にならないような人間を相手にしていないだろうが）。
それに比べると、中山馬主協会のＨＰはキャプテン渡辺のコーナーがあるなど、一般ファンを意識したような構成になっている。中山馬主協会の会員のひとりに「アイアム」の冠名の堀紘一氏がいるが、かつて「馬主になった時に、どの馬主協会に入るかを大川慶次郎氏に相談したところ、『東京馬主協会はドロドロしているので、和気あいあいとしている中山馬主協会の方がよい』と言われた」といったことをコラムで書いたことがあった。なるほど、ＨＰを見てもそれが分かる感じがする。
ということで、ＨＰを見ると、中山馬主協会への加入者が増えていることが分かる。他との比較は分からないが、ＨＰを見れば、「中山馬主協会の方がいいかな」と思うのが自然だろう。
明日の天皇賞（春）に出走するアルバートの馬主は中山馬主協会の林正道氏である。林氏に関しては、一度ネット上で話題になったことがある。４年くらい前に矢作厩舎へ預けていた馬を一斉に転厩させたという話だ。バンデのオーストラリア遠征にまつわるトラブルがあったようだが、その話を見て、何となく怖い人というイメージがあった。
しかし、２０１６年のステイヤーズＳを制した際の林氏のコメントの中で、「最後に、優勝の口取り写真の撮影時、落ち着かなく動いてしまい、なかなか静止しないアルバートに対し、堀先生が『キチンとしなさい』と声をかけると、ピタッと大人しくなったのは何とも微笑ましい光景で、その時の堀先生の表情に、アルバートとの親密な関係を垣間見た気がして嬉しくなりました」とあったのを見て、別に怖い人でもないのかなという印象に変わった。それから、アルバートの走りを注目してきたが、ひとつ言えるのが、オーナー・調教師ともこの馬を大事に使ってきたこと、そしてもう７歳になったが、ローテーションに余裕を持っていること。さらに、これまでと違うのがステイヤーズＳの勝利後に有馬記念を使わなかったこと。どうも林氏の要望のようだが、恐らくキタサンブラックがいなくなり、古馬の層が薄くなることを見越したものと思う。それを踏まえると、阪神大賞典の４着を気にすることは全くない。まさに叩き台というものだからだ。今年のアルバートの本気度はこれまでとは違うと思ってよいだろう。
オッズを見ると、ルメールが騎乗する割には人気になっておらず、最終的には単勝１０倍前後の６〜７番人気に落ち着きそうだ。京都の馬場も昨年に比べて１秒程度かかっている印象なので、アルバートにとっては悪くないはずだ。今年は３０００Ｍ以上の重賞では天皇賞以外で圧倒的な成績を挙げているアルバートを買ってみたい。林オーナーはＧ�橘ぞ〕�なので、そろそろ天皇盾を持つ順番になってもよいのではないだろうか。
ログインしてコメントを確認・投稿する