伏兵エポカドーロ会心Ｖ「力強かった」戸崎／皐月賞
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今週の中央競馬は感心と落胆の両極端に分かれたといっても過言ではない。
感心はもちろん昨日の中山グランドジャンプ。オジュウチョウサンの強さはもう殿堂入りクラスだと思うが、マスコミの扱いのあまりの小ささには悲しくなってしまう。今日のマンガ喫茶でたまたま見た週刊プレイボーイでオジュウチョウサン特集があったので、この馬の大まかなことを知ることができたが、もっと世の中に知ってもらえないものかと考えてしまう。
私はオジュウチョウサンがデビューした時は小笠厩舎所属だったというのは今日知った。小笠調教師は今の活躍をどのように見ているだろうか。モーリスの吉田調教師と同じようなものだろうか。
そしてよかったのが、昨年の中山大障害同様に、アップトゥデイトなどの他馬が「闘って」きたこと。昨年は林騎手の渾身の逃げという見せ場があったが、今回（昨日）はマイネルクロップとクランモンタナという平地重賞勝ち馬（何を勝ったか覚えてます？）がオジュウチョウサンとアップトゥデイトの２頭に絡んできた。最終的に大レコードの決着だったように、あの流れはかなりの激流だったのではないか。その流れを後ろで見ていたのが３着だったニホンピロバロン。気が付いたらオジュウとアップ（馬名の略し方が難しい）の直後にいたので、びっくりした。もう４１年も前の話になるが、ニホンピロは１９７７年有馬記念でトウショウボーイとテンポイントの寝首を掻くように後ろにいたグリーングラスだった感じがする。昨日のレースは、途中までマイネルクロップとクランモンタナが絡んだ分だけ、あの時の有馬記念より質が高いはずである。
よって、レース後にオジュウチョウサンの石神騎手とアップトゥデイトの林騎手が称え合うなどの素晴らしい光景が見受けられた。それだけ、あのレースに参加した騎手の満足度が高かったということだ。
こんなレースを見てしまうと、オジュウチョウサンにはイギリスのグランドナショナルに挑戦してもらいたいが、陣営にはその意向はないようだ。あのレースに求められる資質とオジュウチョウサンの能力が合うのかというそもそも論があるので、どうしようもないが、これだけ強いのであれば、見てみたい気もする。このレースはＪＲＡの海外馬券対象ではないだろうが、数十頭も出る馬券を売るようであれば、私のような人間は脳汁が噴出するだろう。一昨年のメルボルンカップは２４頭立てだったが、あの馬柱を見ただけで私はかなり興奮してしまったものだ。
で、落胆はもちろん皐月賞。馬券が養分になったのはいつものことだが、１〜３着が見事に非社台の馬（血統には社台が入るが）だったところに日本の競馬界の嘆かわしい現状を見ることができる。
最近思うのだが、皐月賞の話になると「中山はトリッキーなコース」というコメントを見るようになった気がする。私が競馬を始めた９０年代にこんなことを聞いた記憶はない。正確に分かるものはないが、恐らくディープインパクト産駒がデビューし始めた頃からこのような言い方をされるようになったと思う。そして、その要因はディープ産駒と中山の相性の悪さというのも簡単に想像できる。さらに、ディープ産駒の売りである斬れ味がそがれる稍重の馬場になれば、今日のような結果に驚くこともない（のに、養分になるのだから私もマヌケだ）。
中山コースでの王道の勝ち方は、シンボリルドルフやフジキセキが示している。３コーナーから動いていき、４角では先頭に立ち、そのまま押し切るというものだ。もちろん、この勝ち方は能力・精神力が求められるものだが、それができてこそ、海外のビッグレースを制することができると思っている。弥生賞のダノンプレミアムの勝ち方はルドルフやフジキセキに近い感じがしたが、勝ちタイムがイマイチだったので、本番での走りに興味があったが、挫石で回避してしまった。かつて、藤沢和雄調教師の著書で「挫石をさせてしまうような厩舎は変えなさい」的な一文を読んだ記憶があるが、中内田調教師は果たして大丈夫だろうか。
かくして、今年の皐月賞には世界を感じる何かを感じることはできなかった。エポカドーロの血統を見て、「母はダイワパッションかぁ。増沢厩舎と長谷川騎手っていうよく分からない組み合わせで重賞を勝ったな」という思い出以外の可能性を感じることはできなかった。血統が全てとは思わないが、世界で通用するだけの血筋だろうか。
ディープインパクトももう１６歳である。種牡馬としては晩年に差し掛かる年齢となってきた。これまでたくさんのＧ�鞠呂鯒攴个靴燭�、まだこの馬を超える・近づくという馬は出ていない。もし、これから１０年で欧米競馬を制するような馬を日本から輩出できないと、いろいろな意味で大変なことになるだろう。
ということで、平地の競馬界には何の未来も感じることができなかった皐月賞だった。
話は全く違うが、今週のプレイボーイには「“オキナワン・ボクサー”最強師弟対談」と称した具志堅用高と比嘉大吾の記事が載っていた。減量失敗の不祥事を知ってしまうと、これほど間の悪いものはない。ボクシングは全くの門外漢だが、こんな対談に出ている暇があったら、減量をしたらよかったのではと思ってしまうところだ。
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