mixiユーザー(id:5089039)

2018年03月08日17:30

142 view

西郷さんの慎ましい生き方

以下、神渡良平「西郷隆盛人間学」(致知出版)より

慎ましい私生活
西郷の参議としての報酬は600円だった。それだけの報酬を得ていたら、他の高官のように、豪壮な邸宅を構えてもおかしくなかったが、西郷は日本橋にあった元姫路藩蔵屋敷を着き3円で借り受けてそこに住んだ。

あるとき、参議の木戸孝允が自分の屋敷で会議を開くことにし、関係のある要人に来邸を求めた。ところが定刻になっても西郷が来ない。木戸はじめ一座の人々は待ちくたびれ、気を揉んだ。やむなく使者を送ると、折しも西郷は褌一つになって座敷で字を書いていた。

使者がそれを見て驚き、一刻も早い来邸をうながすと、西郷は困った顔をした。
「実はたった一枚の着物を洗濯しもしたので、着るもんがなか」。
なるほど、庭先には単衣(ひとえ)の薩摩絣が干してある。使者は取って返して木戸の着物を借り、それを西郷に差し出した。西郷はそれを着て会議の場に臨んだのだが、木戸の着物は小さく、つんつるてんだったので、一同大笑いしたという。嘘のような本当の話である。

またあるとき、右大臣の岩倉具視が西郷を訪問して驚き、
「筆頭参議が住まわれる屋敷としては、ちと不似合いです。ご身分にふさわしい邸宅にされるべきではないですか」と意見すると、西郷は苦笑して、
「日本の国はもっと貧しうごわんでなあ」
と答えたという。

坂本龍馬も驚いた西郷の生活
坂本龍馬が西郷を鹿児島に訪ね、泊ったことがあった。夜半にふと目が覚めると、隣の部屋で夫人の糸子が西郷に頼みごとをしているひそひそ声が聞こえた。聞くとはなしに聞いていると、糸子はこう頼んでいるらしい。
「お前(まん)さあ、宅は屋根が腐って雨漏りがして困っとります。お客人がお出でのときは面目がたちもはん。どうか早く修繕しったもんせ」
すると西郷は声を潜めて答えた。
「今は日本全国どこでも雨漏りがしよるからなあ。我が家の修繕なんかしておれん」
龍馬は二人の寝物語を聞きながら、「西郷って奴は偉い奴ちゃな!」と思ったという。

またあるとき、糸子が西郷に哀願した。
「我が家も子どもが増えもした。だから将来の物入りに備えてくいやったもはんか」
二人の間には三人の子供ができていた。それを聞いて西郷は渋面をつくって言い放った。
「おれはお前がそげな強欲な嫁女だとは思わんかった。そんな嫁女は我が家には要らん。暇を出すから出て行ってくれ」

糸子はその剣幕に驚き、泣いて詫びたが聞き入れられなかった。そこで西郷の叔父の椎原国幹に泣きつき、とりなしてくれるよう頼んだ。椎原が中に入ったところ、西郷はこう答えた。
「我が家よりも貧乏な家はたくさんある。我が家は三度三度すするだけの粥があるから、まだ良か方じゃ。それ以上は欲ちゅうもの。糸子が清貧に甘んじるちゅうんなら、話を元に戻しても良かが」



3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年03月>
日 月 火 水 木 金 土
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031