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2018年02月19日23:05

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映画「ルイの9番目の人生」

昨日のレイトショー、MOVIX堺で鑑賞。
残酷ホラーの鬼才アレクサンドル・アジャ監督の今までとは違う新作。

「ルイの9番目の人生」The 9th Life of Louis Drax 

少年ルイ・ドラックスは、生まれてから1年に一度は事故で死に掛けては生還する奇妙な人生を送っていた。
ある日、父と母と共にピクニックをしてたルイは何者かによって崖から転落。
死んだはずのルイは病院で突如息を吹き返すが寝たきり状態。
9歳で9回死んでも生きてるルイの謎を解こうとするパスカル医師だったが…


映画を観る時は、だいたいこんなジャンルだろうと思って鑑賞する人は殆どでしょう。
今回鑑賞した映画、タイトルからしても何だろう?
結構気になった。
極力、ネタバレ一切無しで鑑賞する私なんですが、今回の新作で気になったのが、


監督がアレクサンドル・アジャ


最初に観た「ハイテンション」はもうこれがスプラッター描写全開の残酷ホラー。
その次の「 ヒルズ・ハブ・アイズ」は「サランドラ」のリメイクだがオリジナルの何十倍も面白い大傑作ホラーだった。
ホラー映画好きな私には、このパワフルなスプラッター描写にアジャ監督は要注目だった。
この感想日記では以前に「ミラーズ」と「ピラニア3D」を書いてますが、いずれもその得意のスプラッター描写で迫力ある展開を見せる面白さだった。
「ピラニア3D」は「ピラニア」のリメイクだがよりコメディ要素が高く、この監督の新たな面が見えた感じもした。
製作脚本のみでも「P2」「マニアック」とホラーばかり。
でも殆どがリメイク作品。でもオリジナルよりは面白い。

最近、この公開に合わせて、劇場で見逃した前作「ホーンズ 容疑者と告白の角」を鑑賞。
今までのアジャ監督作品とは違う。
確かにホラー要素はある内容だが、ファンタジー色や切ないラブロマンス要素が高くて、
アジャ監督の新境地か?と思わせた。

そして、今回の「ルイの9番目の人生」
アジャだから実はホラーではないか?と思った方。
その要素も少なからずあるにはあるが、ホラーではない。
前作「ホーンズ」より、更に新境地を開拓したのかのようなアジャ監督。

内容的にはミステリーと言った方がいいか?
それだけでは片付けられないような内容。
親子のドラマが軸で、そこで様々なルイが空想するファンタジー要素が絡んだり、
一筋縄で行かない不思議と世界観に引き込まれる内容だ。

アジャ監督お得意のスプラッター描写は今回は封印。
今までのインパクトある描写でなく、本当に内容で見せる。
この監督、ここまでドラマ描写や色んな面を表現できる監督なんだなと再確認した方。
リズ・ジェンセンの原作小説(未読ですが)のストーリーがかなり良かったのも大きいと思う。

【注意】ここからちょっとネタバレあり
謎解きは書きません。




クライマックスの昏睡状態のルイとパスカル医師が、
精神科のDr・ペレーズの催眠効果でその謎が解き明かされる展開は面白いし、
その謎も見事に解き明かされるのも見事。
それでも、
「実はルイは特殊な能力を持った少年か?」
または、
「パスカル医師がそうなのか?」
ラストの母親の姿といい、
観終わってからも、あれこれ想像を巡らせてくれる余韻があるのも良い。
そして、実に切ない。
切ない部分は、アジャ監督「ホーンズ」もそんな終わり方で、今回は更にそう実感させる。


キャストでは、

パスカル医師役のジェイミー・ドーナン
実はこの役者の過去出演作は殆ど拝見してない。
「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」から始まるあのエロ映画シリーズの主演で知られる(これは未見)
話の進行的にも主役でもあり、劇中ルイの母親と不倫行為になる演技が妙にはまってたのも、
フィフティ・シェイズシリーズに出ていたからなのか?

ルイの母親ナタリー役のサラ・ガドン
この女優さんは、最近のクローネンバーグ監督作品の常連だったり(その息子の監督作品も)
他にも度々拝見してる。
かなり重要な役どころであります。

ルイ少年役のエイダン・ロングワース
実質上の主役で、初めて拝見するが達者な子役です。
ストーリー内容で見せる映画だから、かなり演技力がいる役柄だけに見事でしたよ。

ドクターペレーズ役のオリバー・プラット
この役者さんはもう幅広いジャンルでよく見る名脇役と言ったらいいベテラン。
新しい所では「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」の嫌味な料理評論家役がありました。

ルイの父親ピーター役のアーロン・ポール
アーロン・ポールはイイね!
TVシリーズ「ブレイキング・バッド」で知って、要注目してる役者の1人。
最近は「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」も良かったりで、映画の方もいい役どころを見せる。
彼が演じる父親とルイのドラマには、ほろっとさせてくれて良かったです。


この映画、ミステリサスペンス、ファンタジー、見ようによったらホラーにも取れる。
そのジャンルにとらわれない不思議と味わい深い映画だった。
血まみれスプラッターホラーのアレクサンドル・アジャ監督で、
こんなに感動させてくれるとは。
でもホラー的な怖い要素も実はしっかりあるのも納得。

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