英国Bespoke Audio 社初の製品であるリモコン付パッシヴ・プリアンプ 170万円。
これを貸し出し試聴して下の米国UTC社製マッチングトランス付自作アッテネーターと対決させてみました。
なかなか外観は美しく、自作ではここまでは難しいかもしれませんね。
英国で若い女性一人でトランス造りから、綿巻き線での配線ら全部行っているそうです。
48ステップというのも使いやすく、ほぼ可変抵抗と同様の感覚で操作できた。
外部リモコンも付属して、遠隔でVOL調整できるのも便利で、ここも自作ではなかなか難しいです。
ステレオサウンド誌のグランプリでも「その他のコンポーネント部門」で堂々の1位獲得モデルにもなっています。
公式カタログによると、
英国Bespoke Audio 社は、トランス・アッテネーター式パッシヴ・コントローラーです。
ボリュウムコントロールは、EI コア・トランスを使用した信号減衰作用(TVC)のみで行います。中核となるそのトランスはすべて自社で製作、47 ステップという細かなボリュウムコントロールを可能としています。
左右各チャンネルのトランスにおいて1次側に対する 2 次側の巻き数を 1 ステップごとに変えながら巻き線タップを出し、47 ステップ分を均一な状態で巻き上げるという繊細さが要求される工程すべてを手作業で行っています。
トランス製作では自社で設計した大型ボビンに1ステップごとに銅線を巻き、挿入されるミューメタル(Mu-metal)合金製コアも大型の特注品を採用しています。
製作されたトランスは、メーカーロゴが彫られた同じくミューメタル合金製の美しい容器に収められたのち蜜蝋を充填して完成されます。蜜蝋を選択したのも永年の経験からのものでした。
筐体は 15mm 厚のアルミ合金製パネルで四方を囲い、天板は同じ合金製か合金の表面を美しい天然木の突板で仕上げたものかを選択いただけます。
アルミ合金を贅沢に使った筐体は高い剛性と精度を誇り外部からの影響を最小に抑える優れた性能を発揮します。
基本となる製品仕様は入力 6 系統/出力 2 系統で、入出力のコネクタはバランス(XLR)、アンバランス(RCA)の数をご注文時にお客様にご指定いただけます。
また 2 系統出力のそれぞれにグランド・リフト用トグルスイッチを装備しており、接続に合わせてグランド(ボディアース)を選択することができます。
入力セレクタ/ボリュウムコントロールを担うロータリースイッチには高品質・高信頼のエルマ(スイス)製を採用。つまみはアルミブロック削り出しのφ48mm 大型つまみを採用し、滑らかで心地の良いコントロールを実現しています。
対する平蔵のは地元の先達が発見した2連可変カーボン抵抗の並列使用とDACとパワーアンプのインピーダンスマッチングにUTC出力トランスを入れていることです。
UTCならではの1.5Ω〜16Ωの通常のスピーカー出力のほかに、業務用機器共通インピーダンスの500Ω〜600Ωの端子があるからなんですが。
これに着目して、VOLだけでは通常は痩せてしまうアッテネーターにトランスを加えて音を厚くする、こんな利用方法を開眼した仲間のおかげです。
試聴はDACのESOTERIC Grandioso D1はスイッチでRCA出力とXLR出力を選べるのでそれぞれを比較対象に入れて出力を切り替えて簡単に比較できました。
スケールが平蔵の現用の方がありますね。ローエンドへの沈み込みが見事です。
ピラミッドバランスも平蔵の方。
楽音の一音一音に平蔵ATTの方が力感があって、音飛びも良く聞こえます。
他方、音場感は借りたものの方は左右の広がりがスピーカー外により広がる感じがします。
総合的には平蔵の現用のままがいいようです。
インピーダンスも絡んで、DACないしプレーヤーの出力インピーダンス、パワーアンプの入力インピーダンスの問題もありますから、この英国式ATTも聴いてみる価値は大と感じました。
・特にプレーヤーないしDACとパワーアンプの間にゲインは不要。
・徹底的に音の純度を重視したい。
・ATTだけでは音を絞ったときの音痩せに気付く。
・ATTに純度のみならず、プリアンプのような音に艶や色気、音楽性が欲しい
・文字通り一生モノとして、壊れないセレクター&音量コントロール装置が欲しい。
(厳密にはこの高級ロータリースイッチには寿命があるが、内蔵のステップダウントランスは半永久。
スイッチなどノイズが入るようになったら48ステップのロータリースイッチに交換すれば足りる)
そんな方にはもしかしたらドンピシャリ、なくてはならない逸品になる可能性があります。
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