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2017年12月26日12:04

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中国に露骨に依存始めたスー・チー氏 「平和の天使」から「悪魔の使い」に

 下記は、2017.12.26 付の産経ニュース【中国・連鎖地獄 大失敗の一帯一路】です。

                        記

 ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャの居住区・西部ラカイン州は、中国・雲南省までのパイプラインの起点である。だからこそ、中国はアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相を擁護し、ロヒンギャを「テロリスト」と決め付け、国際社会から失笑を買っても平気である。(夕刊フジ)

 ミャンマー軍の軍事作戦を受け、隣国バングラデシュに避難したロヒンギャ難民は70万人近くになった。スー・チー氏は、「民族浄化だ」と批判する国際世論の前でよろめき、欧米に背を向け、中国の政治力に露骨に依存し始めた。

 スー・チー氏は、無思慮にロヒンギャの肩を持つ欧米メディアは自己本位であり、解釈が一方的であり、事態の本質を理解していないと、信頼してきた欧米メディアの激変ぶりに当惑している。

 欧米、特に英国がスー・チー攻撃の最右翼となっている。

 英オックスフォード市議会は11月、スー・チー氏へ授与した称号「オックスフォードの自由」を永久剥奪することを決めた。米国下院のリベラル派も、最高勲章「ゴールド・メダル」の剥奪を要求した。「ノーベル平和賞を返上せよ」と叫ぶ活動家もいる。

 国際世論というより、欧米メディアから、スー・チー氏は「平和の天使」から「悪魔の使い」に突き落とされた。それもこれも、「ロヒンギャ難民に対し、ミャンマー政府が弱い者いじめ(弾圧)をしている」という、意図的な世論工作に負けているからである。

 誰がこの印象操作を行ったかといえば、これまでスー・チー氏を「救国のヒロイン」と持ち上げ、前向きな印象操作をしてきた欧米メディアなのだから「現代史のパラドックス」というところだろう。

 中国がしゃしゃり出てきた。ミャンマーに利権を持ち、一度キャンセルになった北辺の水力ダムや港湾施設など、多くのプロジェクトを予定している。中国は、このチャンスを生かすと外交得点も稼げる。

 ミャンマーには7つの主要な少数民族がいる。シャン、カチン、カレン、モン族などに加えて、ワ族がいる。それぞれが武装集団を持ち、国境地帯などに勝手に自治区を広げている。特に、麻薬の密造地帯「ゴールデン・トライアングル」を、麻薬王クンサーの地盤を受け継いで統治し、各地のマフィアと組んでいるため資金も潤沢である。

 ミャンマー政府の統治が及ばない。ほとんどが中国と国境を接している。特に、ミャンマー東部シャン州に盤踞(ばんきょ=根を張って動かないこと)するのがワ族だ。この軍事組織が「ワ州連合軍」(UWSA)で、中国の支援を受けているのだから、ミャンマー情勢はややこしい。

 ■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウオッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書・共著に『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』(海竜社)、『連鎖地獄−日本を買い占め世界と衝突し自爆する中国』(ビジネス社)など多数。

 http://www.sankei.com/world/news/171226/wor1712260004-n1.html
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