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2017年12月25日23:06

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「陸と海のシルクロード」警戒する各国 本音では中国を嫌う国々、それぞれの事情

 下記は、2017.12.25 付の産経ニュース【中国・連鎖地獄 大失敗の一帯一路】です。

                        記

 中国は5月中旬、北京で「一帯一路・国際フォーラム」を開催した。ロシアのプーチン大統領や、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相、トルコのエルドアン大統領も飛んできたが、インドは参加を拒否した。日本と米国はオブザーバーを派遣して、お茶を濁した。(夕刊フジ)

 シルクロード基金をもとに、各国に巨額の投資をしてインフラ整備のお手伝いをするのだ−と喧伝したものの、半信半疑の国が多い。

 南シナ海問題をうやむやにするため、中国は破天荒な投資を続行して、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国に代理人をつくった。

 だが、ベトナムは露骨に不快感を示したほか、「投資は歓迎」としながらもマレーシアやインドネシアは本音では中国を嫌っている。ラオスやカンボジアも、心の底では中国が嫌いだ。孤立を恐れて、中国だけが頼りとなったミャンマーなど、それぞれ国の事情を抱える。

 「陸のシルクロード」は、新彊ウイグル自治区から中央アジアを越えて分岐し、モスクワから旧東欧や北欧へ向かうルートと、アゼルバイジャンからトルコへ至る黒海ルートに分かれる。

 「海のシルクロード」は、南シナ海からマラッカ海峡を越え、ミャンマー、スリランカ、パキスタンのグワダル港から紅海の入り口であるジブチへ。そして、スエズ運河を抜けて、ギリシャのピレウス港へ。もう1つが、北極を横切る「氷海ルート」だが、ロシアが極度に警戒している。

 ハンガリーの首都ブダペストで11月末に開催された「中国+16カ国」サミットには、李克強首相が出席した。ジョージアの首都トビリシでも同日、「一帯一路」会議が開かれ、アゼルバイジャンの首都バクーと、トビリシ、トルコの都市カルスを結ぶ鉄道の開通を祝った。

 カフカス3カ国(アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア)は、旧ソ連から独立した。それぞれが西側に向きを変え、ロシア語より英語、経済はEU依存へかじ取りを換えようと努力してきたが、EUは不熱心だった。

 この間隙を、中国が衝いたのだ。

 欧米からの投資が脆弱(ぜいじゃく)で、特に「EUの空白投資区」といわれるのがバルカン半島、すなわち旧ユーゴスラビアの7カ国とアルバニアだ。

 中国はすでに、バルカン半島の付け根にあるギリシャのピレウス港の運営権を手に入れた。北上する鉄道企業に株式参加し、今度はセルビアとハンガリーをつなぐ鉄道の着工に踏み切る。

 この高速鉄道は総工費24億ユーロ(約3200億円)の85%を中国輸出入銀行が融資する。ともかく、世界各地で建設の槌音(つちおと)高く、勢いを見せてはいるが、果たして「一帯一路」の実態は?

 ■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウオッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書・共著に『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』(海竜社)、『連鎖地獄−日本を買い占め世界と衝突し自爆する中国』(ビジネス社)など多数。

 http://www.sankei.com/world/news/171225/wor1712250023-n1.html
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