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2017年12月24日09:56

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11月の読書日記

今朝の新聞に葉室麟氏の訃報が。最初に読んだのは「乾山晩愁」。珍しい題材に惹かれて読んで、その面白さにはまった。このころは今ほど売れっ子という感じで無く、図書館に並べられていた。次いで「実朝の首」から黒田如水のシリーズへと続き、次第に図書館での順番待ちが長くなってきた。同じ年代の北重人氏という時代小説家がいて、この人も静謐で端正な小説を書く人だったけど、61歳で亡くなっている。宇江佐真理さんや杉本章子さんも早死にだな。葉室氏のご冥福をお祈り申し上げる。合掌。

北欧の推理小説をいくつか読んだ。この国の方々は作者名をおぼえるのも、主人公の名前も覚えにくい。でも昔のマルティンベックシリーズではそう思わなかったのに、脳みそが老朽化してきたせいか?で、
小丸1「湖の男」(東京創元社)アーナルデュル・インドリダソン(「アーナルなんちゃら、イタドリ?」としか覚えられない):地震のせいで水が干上がった湖の底から男の白骨が見つかる。それと何年も消えた婚約者を待っている女性がいる。このかけ離れた二つ事件はどうつながってゆくのか。エーレンデュル・スヴェインソンという失踪人に深い関心がある刑事がこれを解くのだが、これらの捜査と平行して東西冷戦下のアイスランドの若者が東ドイツに留学した時のモノローグが入ってくる。最初は苦痛に思われるくらいバラバラの話は、後半1/3位から一挙に加速してくる。乞うご期待。
小丸1獣使い エリカ&パトリック事件簿 (集英社文庫) カミラ・レックバレリ:極寒のスウェーデンで森の中から現れた裸同然の少女は道路へ踏み出して車に轢かれて死亡。面影は失われていたが、4か月前から行方不明だった乗馬クラブ生徒ヴィクトリアと判明。検死の結果、生前に眼球はくりぬかれ、鼓膜は破られ、舌も切り取られていた。捜査に当たるのはパトリック・ヘードストルムだが、その妻のエリカはこういう事件のライターをしており、侮れない推理力がある。しかし、家庭で事件の話をしたり資料を見られたり、警官としてどうよ、パトリック。この作者の題名はいつもすごい。「死を哭く鳥」「踊る骸」「死神遊び」。横溝正史も真っ青だ。
小丸1ボックス21 (ランダムハウス講談社文庫 )アンデシュ・ ルースルンド ,‎ ベリエ ・ヘルストレム:ストックホルムにあるアパートの一室で、鞭打たれて意識を失った売春婦が発見される。リトアニアから連れてこられたというこの売春婦は、すぐに病院に搬送され、彼女を連れてきたポン引きも国に強制送還された。だが、病院で目覚めた売春婦は、人質をとってモルグ?に立てこもる。周到に計画されたこの行動は、娼婦の渾身の復讐劇なのだ。彼女がこの事件を起こした影には、意外な人物が。仕事仲間との意思疎通さえ難しいエーヴェルト・グレーンス警部が、事件の捜査に当たるが、、この人ほとんど人格崩壊してる。こういうキャラクターが北欧警察小説に多い。マルティン・ベックなんぞはすごいっ常識人だったのに。
最後に
小丸1動物翻訳家 (集英社文庫)片野ゆか:題名からはよくわからないが、動物園の飼育員さんの話。先日ネットに地方の動物園の飼育員さんが、クリスマスのためにデガワという名のペンギンとクリスマスイベントの準備をするも人が来ない涙、という記事が掲載されていた。この本でも、自分は飼育員サイドの人?と思っているぺんぺんというペンギンの話やら風切り羽根を切らずにアフリカハゲコウを飛ばしている秋吉台の動物園←行ってみたいの話とか、う〜ん、飼育員さんてすごい!という話がてんこ盛り。同じ作者の「犬部」もおもしろい。どちらも実話だし。

11月は映画に行っておりません。今年も間も無くおしまい。どうぞ良いお年を。犬

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