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2017年12月23日22:43

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分離→高度下げ分離…H2A初挑戦に成功 種子島宇宙センター「感無量」「気抜かずにやる」

 下記は、2017.12.23 付の産経ニュースの記事です。

                       記

 地球温暖化の高精度予測を目指す気候変動観測衛星「しきさい」などを搭載したH2Aロケットの打ち上げが成功した23日、鹿児島県の種子島宇宙センターでは関係者が会見し、喜びや今後の課題などを語った。

難しい超低高度の「つばめ」

 しきさいは温暖化予測を困難にしている大気中のちりや雲、地上の植生の観測を得意とする衛星だ。統括する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の杢野正明プロジェクトマネージャは「無事に軌道に投入されて感無量。観測データで気候変動の監視や予測に貢献していきたい」と語った。

 衛星には設計上の寿命があり、しきさいは5年だ。環境問題に貢献する衛星は将来も後継機を打ち上げ、観測の継続を求める声が研究者らの間で根強い。文部科学省の戸谷一夫事務次官は「地球観測だけでなく産業でも利用できる役割を開拓し、多くの人が支えて幅広く利用されることで、シリーズ化することが考えられる」と述べた。

 今回は高度200〜300キロの超低高度の飛行を目指す試験衛星「つばめ」の軌道投入にも成功。超低高度では大気の抵抗があり衛星の飛行には不向きだが、つばめはイオンエンジンを噴射して軌道を保つ。実用化すれば、低コストかつ高解像度で地球を観測できると期待される。

 つばめを統括するJAXAの佐々木雅範プロジェクトマネージャは「通常の衛星と違い、つばめは(大気の影響で)どんどん軌道が変わっていく。気を抜かずにしっかりやっていく」とした。

逆噴射など複雑な働きにも成功

 一方、今回のH2Aはしきさいを分離後に高度を下げてから、つばめを分離した。こうした飛行は国産ロケットでは初めてだという。1回の打ち上げで異なる軌道に衛星を投入し、相乗りでコストを抑えるのが目的だ。これを実現するため、2年前に実用化した改良型のH2Aを採用した。

 H2Aが2基の衛星を異なる高さの軌道に投入した前例はあるが、投入までの飛行経路が一部共通する形で、適用できるケースはかなり限定された。一方、今回はロケットの第2段に逆噴射や3回目の噴射などの複雑な働きをさせて、本来は経路が全く異なる2基の衛星を目的の軌道に届けることに成功した。

 三菱重工業の阿部直彦執行役員は「これまでロケットの能力が余っていても載せられなかった衛星を、載せられるようになる。ビジネスの幅が広がっていく」と期待を語った。

打ち上げ増え新たな課題

 H2Aは今年、過去最多の6回の打ち上げをこなした。同社の二村幸基執行役員フェローは「当初はかなり厳しい工程だと思ったが、組み立てやJAXAの発射場の工夫で達成できた。安堵(あんど)し喜んでいる」と話した。

 ただ、打ち上げ回数が増える中で大きな課題も残した。8月の35号機で、エンジンに関連するバルブの開閉に使うヘリウムガスの漏れが打ち上げ直前に判明し、1週間延期する事態があった。部品調達の遅れによる工程の変更で、作業で見にくい場所が生じたことが背景にあった。

 二村氏は「生産機数が増え、工程を変えざるを得なくなるような部品の遅れなどが生じた。初めてのこともあり苦労したが、あのことでリスクマネジメントを実例で実感できた」と振り返った。

 http://www.sankei.com/life/news/171223/lif1712230051-n1.html
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