北朝鮮による度重なるミサイル発射で、アメリカでも緊張感が高まる中、あらためて思い出される映画がある。3年前の『ジ・インタビュー(原題) / The Interview』だ。公開予定日直前に劇場公開が中止になったため、観ていない人も多いのだが、観た人は今思い返してあのコメディーはかなりリアルだったと感じているのではないだろうか。(Yuki Saruwatari/猿渡由紀)
北朝鮮政府は、公開予定日の数か月前に、この映画の公開を止めるよう米政府に要請してきた。それを受けて国土安全保障省は、スタジオに警告をしている。だがローゲンとゴールドバーグは、むしろそれを喜んだという(ローゲンは、お騒がせ俳優サーシャ・バロン・コーエンから「僕ですら核戦争の脅しは受けなかったよ」と祝福の電話をもらったとコメントしている)。スタジオも、最初の頃こそ架空の国の架空の独裁者に変更できないかと言ってみたりしたのだが、ローゲンとゴールドバーグにあっさり受け流され、テスト上映の反応が上々だったことから、公開時期をクリスマスに“昇格”までさせた。しかし、公開が近づいた頃、スタジオは“Guardians of Peace”を名乗る何者かにハッキングされ、社員の個人情報や、重役たちの個人メールなどが世間に暴露されてしまう。劇場主たちも被害を恐れてこの映画を上映しないと言いだし、最終的にスタジオは大きな損失を被ることになった。責任を取らされて、スタジオのトップは職を失っている。
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