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2017年11月23日13:33

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東欧に異変 オーストリアのアイドル党首、「チェコのトランプ」…EU懐疑派連合に警戒論も

 下記は、2017.11.23 付の産経ニュース【激動ヨーロッパ】です。

                       記

 31歳の“風雲児”、トランプ米大統領に比される実業家−。オーストリアとチェコで10月に相次いで行われた総選挙では、個性的な指導者が率いる政党がともに勝利した。ただ、対照的にみえる2人も欧州連合(EU)への批判では共通。EU懐疑派の「東欧連合」形成に警戒感もあり、齟齬が目立つEU内の東西関係にも影響を及ぼす可能性がある。
(ベルリン 宮下日出男)

内部から党変革

 オールバックと端正な顔立ちに、選挙集会で写真撮影を求める女性に囲まれる姿はアイドルのよう。オーストリア国民議会(下院)選で第1党を制した中道右派、国民党のゼバスティアン・クルツ党首(31)はマクロン仏大統領(39)より若く、首相に就けば欧州最年少の指導者だ。

 若さゆえの経験不足は当たらない。10代で党青年部に入り、24歳でウィーン市議。4年前の前回13年下院選で初当選すると歴代最年少の27歳で外相に抜擢された。そのとんとん拍子の出世に地元メディアは「風雲児」とも呼ぶ。

 5月の党首就任後はシンボルカラーを黒から青緑に変えるなど、支持率が低迷していた伝統政党の内部からの「変革」に邁進。選挙の候補選びなどで全権を握り、新人も多用した。「ダイナミックな人物」。支持者からはそんな期待が上がる一方、「ワンマン・ショー」との警戒も残る。

トランプ氏以上の富豪

 チェコ下院選で中道右派の新興政党「ANO2011」を圧勝に導いたのはアンドレイ・バビシュ党首。白髪も目立つ63歳はビジネス界たたき上げの政界アウトサイダー。4年前の前回選でいきなり第2党に躍進し、政権に参加。財務相を担ったバビシュ氏の手腕が評されたともされる。

 旧共産体制下の国有化学会社を基盤に農業や食品、メディアにも事業を広げ、傘下企業は18カ国250社以上。「チェコのトランプ氏」と称されるが、米誌によると、その資産は40億ドル(4500億円)以上で、トランプ氏を上回るともいわれる大富豪だ。

 ただ、EUの補助金をめぐる不正疑惑の浮上で他党が協力を拒み、少数政権になるとの見方が強い。企業家らしく、国家運営の効率化を目指すが、上院廃止などを掲げて“議会軽視”のような発言もし、民主主義への影響を懸念する声も出ている。

親EUの孤島

 プロフィルは対照的なクルツ氏とバビシュ氏も対EUでは重なる面は多い。難民受け入れを加盟国で分担する制度に反対し、EUの権限強化につながる改革に否定的だ。クルツ氏は極右の自由党と連立交渉中。バビシュ氏には躍進した極右新党と「水面下で協力するのではないか」との見方がくすぶる。

 ユンケル欧州委員長は両選挙後、2人に祝意を送る一方、「親EU政権の樹立」などを注文した。ともにEU重視を強調するが、両国やEUに批判的なポーランドとハンガリーに囲まれたスロバキアのフィツォ首相は「われわれは親EUの孤島だ」と訴えた。

 そんな状況下で警戒されるのがポーランドやハンガリーとの「東欧連合」(独主要紙)。バビシュ氏は幅広い東欧の結束も唱え、クルツ氏は「東西の橋渡し」を目指す。戦後、西欧に属したオーストリも歴史的には東欧と深いつながりを持つことが背景にある。

 EUでは移民危機を機に東西の亀裂が露呈。そのため「東西の緊張がさらに増す」(同)との声も出る。ただ、バビシュは「現実主義者」で、クルツ氏も自由党の手綱をひければ、EU懐疑派に引きずられることはないとも指摘されるが、2人の動向が今後の東西関係のカギを握る可能性がある。

【EU加盟国と加盟年】 ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク=1967年に前身の欧州共同体(EC)結成▽英国(現在離脱交渉中)、アイルランド、デンマーク=73年▽ギリシャ=81年▽スペイン、ポルトガル=86年▽オーストリア、スウェーデン、フィンランド=95年▽ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、スロベニア、エストニア、リトアニア、ラトビア、マルタ、キプロス=2004年▽ブルガリア、ルーマニア=07年▽クロアチア=13年
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 http://www.sankei.com/premium/news/171123/prm1711230005-n1.html
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